「最近、抜け毛が増えた気がする」「頭皮がベタつく」——そんな悩みを抱えていませんか。 薄毛というとAGA治療薬が注目されがちですが、毎日の頭皮ケアについても気になる人は多いはずです。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、「これをすれば髪の毛が抜けなくなるという、特別な予防法があるわけではありません」としたうえで、頭皮の健康も大事で、自分に合ったシャンプーやコンディショナーを使い、頭皮が乾燥しすぎたり油っぽくならない頻度で洗うよう勧めています[1]。この記事では、シャンプーの洗浄成分、洗い方、栄養素、頭皮マッサージについて、研究と公的な資料で確かめられることを整理します。
AGA治療の全体像については AGA治療の種類と薬の選び方 もあわせてご覧ください。
毛髪サイクルとAGA
毛髪には毛周期(ヘアサイクル)と呼ばれる成長のリズムがあります[1]。
- 成長期(2〜6年):毛母細胞が分裂して髪が伸びる時期。頭髪の約85〜90%がこの段階[1]
- 退行期:毛包の下の部分が縮んでいく時期[1]
- 休止期(2〜3ヶ月):毛をつくるのを休む時期。次の成長期に入る準備ができると毛が抜ける[1]
AGA(男性型脱毛症)では、男性ホルモンの影響でこの成長期が短くなり、前頭部や頭頂部の毛が細く短くなります[2][3]。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(以下、ガイドライン)が推奨度を付けている14の項目(CQ1〜CQ14)に、シャンプー(ケトコナゾールの外用を除く)、頭皮マッサージ、栄養の項目はありません。2026年10月10日にガイドラインの全文を検索したところ、「マッサージ」「栄養」「食事」「亜鉛」「ビタミン」の語は0件で、「シャンプー」は CQ10(ケトコナゾール)の4か所だけでした[2]。シャンプーや頭皮ケアでAGAの進行を抑えられるという根拠は、ガイドラインにはありません。
シャンプーの科学——界面活性剤の種類
エビデンス:限定的総説の記載のみ。系統ごとに頭皮や抜け毛を比べた試験は未確認参照: Gavazzoni Dias 2015
シャンプーには界面活性剤が使われています。界面活性剤は、水になじむ部分の電荷によって、陰イオン・陽イオン・両性・非イオンの4つに分けられます[4]。毛髪化粧品の総説(Gavazzoni Dias 2015)は、それぞれを次のように説明しています[4]。
陰イオン界面活性剤(硫酸系など)
ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなどで、シャンプーの主な洗浄成分です。皮脂や汚れをよく落とす強い洗浄成分で、髪の表面のマイナスの電荷を増やし、髪の広がりや摩擦を増やすことがあります。そのため、両性・非イオンの界面活性剤を補助として加えると書かれています[4]。
石けん
石けんも陰イオンの洗浄成分です。水に触れるとアルカリ性の残留物を残し、カルシウム塩として髪に残って、髪のつやがなくなり、からまりやすくなると総説は書いています[4]。
両性界面活性剤(ベタイン類など)
コカミドプロピルベタインなどのベタイン類が含まれます。総説は、両性界面活性剤を「非常にマイルド」としています。一方で、同じ総説は、シャンプーで起こる接触皮膚炎のよくあるアレルゲンの1つにコカミドプロピルベタインを挙げています[4]。
「アミノ酸系」「サルフェートフリー」の表示
日本の製品でよく見かける「アミノ酸系」「タウリン系」という呼び方は、この総説の分類には出てきません。総説は、硫酸系の陰イオン界面活性剤を使わない「サルフェートフリー」のシャンプーについて、洗浄力や髪への負担を分析した報告は出ていないとしています[4]。2026年10月10日に PubMed で、シャンプーとアミノ酸系の洗浄成分(glutamate・taurate など)と刺激・頭皮を組み合わせて検索した2件にも、頭皮への刺激を比べた試験はありませんでした。
フケ用のシャンプーの成分
フケの総説(Ranganathan 2010)は、フケの治療に使われる海外のシャンプーの成分として、ジンクピリチオン、サリチル酸、硫黄、コールタール、硫化セレン、ケトコナゾールなどを表に挙げています[5]。これは海外の製品の一覧で、国内の製品の成分や区分は、それぞれの製品の表示で確かめる必要があります。たとえば、国内で承認されているケトコナゾールの医薬品はクリーム・ローション・外用液・スプレーで、シャンプーの剤形はありません(医薬品データベースの検索で医療用8件・一般用0件)[6]。ケトコナゾールとAGAの関係は ケトコナゾールはAGAに使えるか で整理しています。
シャンプーの洗い方
ミノキシジル外用薬のリアップX5の説明書は、「正しい洗髪方法」として次の手順を挙げています[7]。製品の説明書の案内で、手順どうしを比べた研究ではありません。
- ぬるま湯でざっと髪と頭皮の汚れを洗い流す
- 髪への摩擦を少なくするため、シャンプーは直接髪につけず、手のひらでよく泡立てる
- 爪を立てずに、指の腹で頭皮をマッサージするように洗う
- シャンプーをよく洗い流す(すすぎ残りはふけ・かゆみの原因になる)
米国皮膚科学会(AAD)の一般向けの案内も、シャンプーは髪の全体ではなく頭皮につけて、たまった整髪料や古い角質、余分な皮脂を洗い流すよう勧めています[8]。
洗う頻度
皮膚科Q&Aは、頭皮が乾燥しすぎたり油っぽくならない頻度での洗髪を勧めています[1]。AADは、汚れや皮脂の具合で頻度を決めるよう書き、まっすぐな髪で頭皮が脂っぽい人は毎日洗ってもよい、としています[8]。栄養と脱毛の総説(Rushton 2002)は、抜け毛が増えるのを恐れて洗う回数を減らす人が多いが、そうすると次に洗ったときに抜ける毛が多く見え、不安を強めると書いています[9]。
乾かし方
AADは、濡れた髪をこすって乾かすと傷むことがあるため、タオルで包んで水分を吸わせること、ドライヤーやヘアアイロンの熱は使いすぎず、低〜中の温度にすることを勧めています[8]。
頭皮と髪にかかわる栄養素
エビデンス:限定的観察研究と総説が中心。不足のない人が補う効果は未確認参照: Kil 2013、Guo 2017
髪は主にケラチンというたんぱく質でできています[10]。皮膚科Q&Aは、髪の毛の新陳代謝には各種のビタミン・ミネラルが関係しているとして、バランスのとれた食生活を勧めています[1]。栄養と脱毛の総説(Guo 2017)は、栄養の不足が見つかれば補うべきだが、不足がないのに補って益があるかはさらに研究が必要で、ビタミンA・ビタミンE・セレンはとりすぎがかえって抜け毛と結びつけられているとしています[11]。
亜鉛
皮膚科Q&Aは、亜鉛欠乏症で脱毛が起こりうるとしています[1]。韓国の1つの病院で、脱毛症の患者312名と健康な30名の血清亜鉛を比べた観察研究(Kil 2013)では、男性型脱毛症を含む4つの脱毛症の群のどれでも、平均の血清亜鉛が健康な人より低くなっていました。ただし、血清亜鉛が70µg/dL未満の人の割合が多かったのは円形脱毛症と休止期脱毛の群だけで、研究者は仮説の段階としています[12]。推奨量は18〜64歳の男性で1日9.0〜9.5mg、耐容上限量は40〜45mgです(日本人の食事摂取基準2025年版)[13]。
ビオチン(ビタミンB7)
ビオチンが不足すると、皮膚炎や脱毛などが起こります。不足の原因には食事からの摂取不足や薬との相互作用などがあり、 生卵の白身を食べ続ける習慣 がある場合は、白身に含まれるアビジンがビオチンと強く結びついて吸収できなくすると総説に書かれています[14]。一方で、腸内細菌もビオチンを作るため不足はまれで、不足のない人がビオチンを補って抜け毛が改善した臨床試験はないとされています[11]。
ビタミンD
エジプトの18〜45歳の女性で、慢性の休止期脱毛または女性型脱毛症の80名は、脱毛のない女性40名より血中のビタミンD2とフェリチンが低かったという報告があります[15]。男性を対象にした研究ではなく、ビタミンDを補ったときの髪への効果のデータは乏しいとされています[11]。
鉄
鉄欠乏性貧血では慢性の休止期脱毛が起こるとされる一方、貧血がない場合に鉄の不足と抜け毛に関係があるかは、研究からははっきりしないとされています[11]。
界面活性剤の系統別 比較表
上の総説の記載をまとめた表です[4]。系統ごとに頭皮の状態や抜け毛への影響を比べた試験ではありません。市販品の成分表示と照らし合わせるときの参考にしてください。
| 系統 | 成分の例 | 総説の記載 |
|---|---|---|
| 陰イオン(硫酸系など) | ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na | 主な洗浄成分。皮脂や汚れをよく落とす強い洗浄成分で、髪の広がりや摩擦を増やすことがある |
| 石けん | 石けん(陰イオン) | アルカリ性の残留物を残し、カルシウム塩として髪に残ることがある |
| 両性(ベタイン類など) | コカミドプロピルベタイン | 非常にマイルドとされる。コカミドプロピルベタインは、シャンプーの接触皮膚炎のよくあるアレルゲンの1つ |
| 「アミノ酸系」「タウリン系」 | ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルタウリンNa など | 総説の分類に記載なし。「サルフェートフリー」の洗浄力や髪への負担を分析した報告は出ていないとされる |
頭皮の状態ごとの手入れ
- 脂っぽい頭皮:汚れや皮脂の具合で洗う頻度を決める。まっすぐな髪で頭皮が脂っぽい人は毎日洗ってもよいとAADは書いています[8]
- フケが出る:AADは、フケのよくある理由として、洗う回数が足りないこと、髪質に合ったコンディショナー・オイル・頭皮用の保湿剤を使っていないことを挙げています[8]。フケの総説は、フケと脂漏性皮膚炎の境目ははっきりしないとしています[5]。続くときは皮膚科で相談してください
- シャンプーのあとに赤み・かゆみが出る:シャンプーは接触皮膚炎を起こすことがあります[4]。続くときは、使っている製品を持って皮膚科で相談してください
頭皮マッサージ——研究でわかっていること
エビデンス:限定的健康な男性9名の1件。しない側との差は有意でない参照: Koyama 2016
Koyama ら(2016)の介入研究では、健康な日本人男性9名が、器具を使って頭の片側に1日4分の頭皮マッサージを24週間続け、反対側の同じ位置をマッサージしない比較の場所にしました(どちら側をマッサージするかは無作為に決めた)。マッサージした場所の毛の太さは、開始時の0.085mmから24週で0.092mmに増えたと抄録に書かれています[16]。
ただし本文によると、毛の太さ・本数・伸びる速さのどれも、マッサージした場所としない場所の間に有意な差はありませんでした。マッサージした場所では、12週の時点で毛の密度が開始時より有意に減っていました。共著者には、頭皮ケア製品をつくる会社(アンファー)の所属の人が含まれます[16]。AGAの人を対象にした研究ではなく、AGAの進行が抑えられたことを示したものではありません。
2026年10月10日に PubMed で「scalp massage」を題名・抄録に含む論文を検索した12件のうち、髪の太さや本数を測った介入研究はこの1件でした。マッサージで血流がよくなって髪が育つ、ストレスによる脱毛を防ぐといった効果を測った研究は、この検索の範囲にはありませんでした。リアップX5の説明書には、マッサージは頭皮の血行を良くするために大切という記載がありますが[7]、血流や髪への影響を測ったデータは示されていません。
頭皮と髪の負担になること
- ほかの育毛剤との自己判断の併用:ミノキシジル外用薬(リアップX5)の説明書は、使っている間はほかの育毛剤や外用剤(軟膏、液剤等)を頭皮に使うのを避けるよう書いています(本剤の吸収に影響を及ぼす可能性があるため)[7]。併用は薬剤師に相談しましょう
- 濡れた髪をブラシでとかす:AADは、濡れた髪は傷みやすいので、からまりをほどくときはブラシではなく目の粗いコームを使うよう勧めています[8]
- タオルで強くこする:こすって乾かすと傷むことがあります[8]
- 髪を強く引っ張る髪型を続ける:牽引性脱毛症の原因になります。初期なら髪型をやめると元に戻りますが、長く続いて毛包まで傷むと、生えてこなくなることがあります[1]
- 極端に頻回のカラーリング:皮膚科Q&Aは、なるべく避けるよう書いています[1]
AGAが疑われる場合——受診の目安
ガイドラインは、AGAを思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症とし、診断では家族歴や脱毛の経過を聞き、額の生え際が後退し、前頭部と頭頂部の毛髪が細く短くなっていることを確かめると書いています[2]。次のような変化があるときは、AGAの可能性があります。
- 生え際が後退してきた[2]
- 頭頂部が薄くなってきた[2]
- 前頭部や頭頂部の毛が細く短くなってきた[2]
- 家族に同じような薄毛の人がいる(ガイドラインは、AGAの発症に遺伝と男性ホルモンが関与するとしています)[2]
ガイドラインが推奨度A(行うよう強く勧める)とするのは、フィナステリドの内服・デュタステリドの内服(いずれも男性型脱毛症)とミノキシジルの外用です[2]。リアップX5の説明書は、脱毛が急激であったり、髪が斑状に抜けている人は、壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高いとしています[7]。そうした場合は、皮膚科で相談してください。
育毛剤とAGA治療薬の違いについては AGA治療の種類と薬の選び方(市販の育毛剤・発毛剤との違い) で説明しています。 ほかの記事は AGA・薄毛のカテゴリ にまとめています。
頭皮ケア・栄養に関する商品の例
本文で触れた種類の市販品の例です(以下のリンクはアフィリエイトリンク〔広告〕です)。順位はつけていません。サプリメントは食品で、髪や頭皮への効果を示すものではありません。
スカルプD 薬用スカルプシャンプー オイリー
アンファーの薬用シャンプー。メーカーの公式サイトは、有効成分をピロクトン オラミン、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸と表示しています(2026年10月10日確認)[17]。AGAの治療薬ではありません。本文の頭皮マッサージの研究(Koyama 2016)には、同じ会社の所属の共著者がいます。
Amazonで見る(PR)ビオチン 180日分 500ug
ビオチンのサプリメント(食品)。ビオチンの不足はまれで、不足のない人がビオチンを補って抜け毛が改善した臨床試験はないとする総説があります[11]。
Amazonで見る(PR)ディアナチュラスタイル 亜鉛 90粒
亜鉛のサプリメント(食品)。亜鉛の推奨量は18〜64歳の男性で1日9.0〜9.5mg、耐容上限量は40〜45mgです(日本人の食事摂取基準2025年版)[13]。ほかのサプリと重ならないよう、成分表示で量を確かめてください。
Amazonで見る(PR)よくある質問
Q. 頭皮ケアだけでAGAは治りますか?
AGAは徐々に進行する脱毛症で、ガイドラインが推奨度Aとするのはフィナステリド・デュタステリドの内服とミノキシジルの外用です。ガイドラインの14の項目に、ケトコナゾールを除くシャンプーや頭皮マッサージの項目はなく、頭皮ケアでAGAの進行を抑えられるという根拠はガイドラインにはありません[2]。
Q. シャンプーは朝と夜、どちらにすべきですか?
2026年10月10日に PubMed で、シャンプーと朝・夜・就寝前の語を組み合わせて検索した9件に、洗う時間帯を比べた研究はありませんでした。AADは、シャンプーを頭皮につけて、たまった整髪料や皮脂を洗い流すよう勧めています[8]。
Q. 育毛シャンプーで髪は生えますか?
ガイドラインの14の項目に、育毛シャンプーの項目はありません。シャンプーとして出てくるのは CQ10 のケトコナゾールだけで、推奨度は C1(行ってもよい)、国内ではケトコナゾールは育毛剤として認可されていないと書かれています[2]。外用で推奨度Aなのはミノキシジルです[2]。
Q. 頭皮マッサージはどのくらいの頻度でやるべきですか?
頻度を比べた研究は、上の PubMed の検索の範囲にはありませんでした。Koyama ら(2016)の研究は1日4分・24週間でしたが、9名の研究で、マッサージしない側との差は有意ではありませんでした[16]。
Q. シリコン入りシャンプーは頭皮に悪い?
総説は、コンディショナーの成分として最も使われているのはシリコーンだとしています[4]。2026年10月10日に PubMed で、シリコーン(dimethicone を含む)とシャンプーと頭皮・抜け毛の語を組み合わせて検索した5件に、シリコーンの有無で頭皮や抜け毛を比べた研究はありませんでした。
Q. ドライヤーは頭皮に悪影響?正しい使い方は?
AADは、熱は髪を傷めることがあるため、ドライヤーの使いすぎを避け、低〜中の温度で使うよう勧めています。乾かす前は、こすらずにタオルで包んで水分を吸わせます[8]。
Q. 帽子をかぶると薄毛になる?
ガイドラインは、AGAの発症に遺伝と男性ホルモンが関与するとしていて、全文に「帽子」の語はありません[2]。2026年10月10日に PubMed で、帽子・キャップ・ヘルメットとAGAの語を組み合わせて検索した20件は、低出力レーザーなどの帽子型の機器の研究が中心で、帽子をかぶることとAGAの関係を調べた研究はありませんでした。皮膚科Q&Aは、かつらについて、脱毛症の治療への影響はないとしています[1]。
Q. プロテインは頭皮ケアに有効?
毛髪は主にケラチンというたんぱく質でできています[10]。たんぱく質の推奨量は18〜64歳の男性で 1日65gです(日本人の食事摂取基準2025年版)[13]。栄養と脱毛の総説は、不足のない人でアミノ酸やたんぱく質を補うことがどんな役割を果たすかは分からないとしています[11]。研究の詳細は 薄毛とタンパク質・アミノ酸の研究 で整理しています。
毛髪・頭皮セルフチェックリスト
以下のチェック項目は、頭皮ケアや生活習慣を見直すきっかけの目安です(編集部の目安で、診断の基準ではありません)。
洗髪のチェック
- □ シャンプーを直接髪につけて泡立てている
- □ 爪を立てて洗う癖がある
- □ すすぎを短く済ませている
- □ タオルで強くこすって乾かしている
- □ 濡れた髪をブラシでとかしている
生活習慣のチェック
- □ 食事が外食・コンビニ中心で偏りがち
- □ 急な減量をしている
- □ 髪を強く引っ張る髪型を続けている
- □ 複数のサプリを重ねて飲んでいる
頭皮状態のチェック
- □ 頭皮が赤い・痒みを感じる
- □ フケが慢性的に出る
- □ 抜け毛が以前より増えた
- □ 髪が細く・コシがなくなった
- □ 生え際・頭頂部が薄くなってきた
洗髪の項目は、上で紹介した説明書とAADの案内にもとづくものです[7][8]。生活習慣の項目は、過激なダイエットのあとの休止期脱毛[1]、牽引性脱毛症[1]、サプリのとりすぎ[11]に関係します。頭皮の赤み・かゆみ・フケが続く場合や、生え際・頭頂部の変化や抜け毛の増加が続く場合は、皮膚科か、AGAの診療を行う医療機関に相談してください。
まとめ
- 皮膚科Q&Aは、特別な予防法はないとしたうえで、頭皮が乾燥しすぎたり油っぽくならない頻度で洗うよう勧めている[1]
- ガイドライン2017年版の14の項目に、ケトコナゾールを除くシャンプー・頭皮マッサージ・栄養の項目はない。推奨度Aはフィナステリド・デュタステリドの内服とミノキシジル外用[2]
- 洗浄成分の違いは総説の記載で、系統ごとに頭皮や抜け毛を比べた試験ではない。コカミドプロピルベタインはシャンプーの接触皮膚炎のよくあるアレルゲンの1つ[4]
- 頭皮マッサージの研究は健康な男性9名・24週の1件で、マッサージしない側との差は有意ではなかった[16]
- 推奨量は18〜64歳の男性で亜鉛1日9.0〜9.5mg、たんぱく質65g。不足のない人が補って髪が増えるかは確かめられていない[11][13]
改訂履歴
2026年10月10日:本文の数字と記述を参考文献の番号で結び、参考文献に研究の種類・人数・限界を添え、判断ブロックを加えました。頭皮マッサージの研究(Koyama 2016)を「対照群のない9名の研究」と書いていましたが、本文を確かめたところ、頭の反対側をマッサージしない比較の場所にしていて、毛の太さ・本数・伸びる速さのどれも両側の間に有意な差はなく、マッサージした側では12週で毛の密度が開始時より減っていたため、そのように直し、共著者に頭皮ケア製品の会社の所属があることを書き足しました。界面活性剤の比較表のうち、出典を確かめられなかった「洗浄力」「刺激性」「向いている頭皮」の欄と、アミノ酸系・タウリン系・ベタイン系を低刺激とする説明を、毛髪化粧品の総説の記載に置き換え、コカミドプロピルベタインがシャンプーの接触皮膚炎のよくあるアレルゲンの1つとされていることを書き足しました。出典を確かめられなかった記述(頭皮は皮脂腺が多い、熱すぎるお湯が皮脂を取りすぎる、頭皮タイプ別のシャンプーの選び方、濡れた髪の放置、ドライヤーの「離して使う」「最後は冷風」、ノンシリコンが好まれる、帽子の通気性、白髪を抜くことについての質問、鉄とヘモグロビンの説明、亜鉛の多い食品、育毛シャンプーの目的、プロテインで補う案内)を削除または書き直しました。洗い方の手順は、出典としてリアップX5の説明書と米国皮膚科学会の案内を示しました。「確認した資料にはありませんでした」と書いていた箇所には、検索した範囲(データベース・検索語・件数・日付)を添えました。ガイドラインを参考文献に加え、リアップX5の説明書を現行の版に替えました。「洗浄力は界面活性剤の種類と量で決まる」は出典が量に触れていないため、分類の説明だけにしました。
2026年10月5日:出典を確かめられなかった記述(頭皮の皮脂腺の密度が顔の約2倍、予洗いで汚れの70〜80%が落ちる、すすぎ残しが頭皮トラブルの最大の原因、42℃・38〜40℃などの温度、頭皮環境が悪いと治療薬の効果が半減する、マッサージが血流を改善してストレス性脱毛を防ぐ、チェックリストの「6つ以上で受診」などの判定、商品説明の「国内唯一の発毛成分」「相乗効果」とサプリの機能の説明)を削除しました。亜鉛の推奨量を2020年版の11mgから日本人の食事摂取基準2025年版の値に、タンパク質の目安を同基準の推奨量に、休止期を「3〜4ヶ月」から「2〜3ヶ月」に直しました。ビタミンDの研究を「男性」の報告としていた誤りは女性の研究に、薬用シャンプーの成分の効果をフケの総説に帰していた記述は総説の内容に合わせて直しました。
参考文献
- 公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 脱毛症」Q1・Q14・Q16・Q17・Q18. (学会の一般向けの解説。研究の結果をまとめたものではない) 日本皮膚科学会のページ(2026年10月10日確認)
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」日皮会誌. 2017;127(13):2763-2777(疾患概念、診断、表1 CQ一覧と推奨度、CQ10). (診療ガイドライン2017年版。2016年12月までに検索できた文献が対象で、それ以降の報告は反映されていない) 日本皮膚科学会のPDF(2026年10月10日確認)
- Inui 2011: Inui S, Itami S. Molecular basis of androgenetic alopecia: From androgen to paracrine mediators through dermal papilla. J Dermatol Sci. 2011;61(1):1-6. (総説。AGAの病態の分子のしくみをまとめたもので、治療や頭皮ケアの効果を調べたものではない。抄録のみ確認) PubMed: 21167691
- Gavazzoni Dias 2015: Gavazzoni Dias MF. Hair cosmetics: an overview. Int J Trichology. 2015;7(1):2-15. (総説〔ナラティブ・レビュー〕、ブラジルの皮膚科の研究者1名による。シャンプー・界面活性剤・コンディショナーの説明で、製品どうしを比べた試験ではない。PMC の全文で確認) PubMed: 25878443
- Ranganathan 2010: Ranganathan S, Mukhopadhyay T. Dandruff: the most commercially exploited skin disease. Indian J Dermatol. 2010;55(2):130-134. (総説。フケの治療に使われる海外のシャンプーの一覧を含む。国内の製品の成分や区分を示したものではない。PMC の全文で確認) PubMed: 20606879
- KEGG MEDICUS 医薬品検索(2026年9月16日版)「ケトコナゾール」医療用医薬品8件(クリーム・ローション・外用液・外用ポンプスプレー)・一般用医薬品0件. (医薬品情報のデータベース。製品名で検索した結果で、件数は版によって変わる) KEGG MEDICUS「ケトコナゾール」(2026年10月10日確認)
- 大正製薬「リアップX5 説明書」(使用上の注意、正しい洗髪方法、ヘアケアQ&A). (一般用医薬品の説明書。版の符号「81 KY4E1」、改訂年月の表示なし。洗い方とマッサージの案内はメーカーの説明で、研究の結果ではない) 大正製薬のPDF(2026年10月10日確認)
- American Academy of Dermatology. Tips for healthy hair. (米国皮膚科学会の一般向けの案内。2024年8月12日更新の表示。研究の結果をまとめたものではない) AADのページ(2026年10月10日確認)
- Rushton 2002: Rushton DH. Nutritional factors and hair loss. Clin Exp Dermatol. 2002;27(5):396-404. (総説。抄録のみ確認) PubMed: 12190640
- Yang 2014: Yang FC, Zhang Y, Rheinstädter MC. The structure of people's hair. PeerJ. 2014;2:e619. (X線回折で12名の毛髪の構造を調べた研究。髪の主な成分がケラチンであることは抄録の導入部分の記載。抄録のみ確認) PubMed: 25332846
- Guo 2017: Guo EL, Katta R. Diet and hair loss: effects of nutrient deficiency and supplement use. Dermatol Pract Concept. 2017;7(1):1-10. (総説〔ナラティブ・レビュー〕。文献検索の方法の記載はない。PMC の全文で確認) PubMed: 28243487
- Kil 2013: Kil MS, Kim CW, Kim SS. Analysis of serum zinc and copper concentrations in hair loss. Ann Dermatol. 2013;25(4):405-409. (観察研究〔症例対照〕、韓国の1病院の脱毛症の患者312名と健康な30名、2008〜2011年。血清亜鉛を比べたもので、亜鉛を補った効果は調べていない) PubMed: 24371385
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(たんぱく質の食事摂取基準、亜鉛の食事摂取基準の表). (公的な基準。健康な人を対象にした摂取量の基準で、脱毛の予防や治療のための量ではない) 厚生労働省のページ(2026年10月10日確認)
- Zempleni 2008: Zempleni J, Hassan YI, Wijeratne SS. Biotin and biotinidase deficiency. Expert Rev Endocrinol Metab. 2008;3(6):715-724. (総説。ビオチン欠乏とビオチニダーゼ欠損症の解説で、健康な人のサプリの効果は扱っていない。PMC の全文で確認) PubMed: 19727438
- Rasheed 2013: Rasheed H, Mahgoub D, Hegazy R, et al. Serum ferritin and vitamin D in female hair loss: do they play a role? Skin Pharmacol Physiol. 2013;26(2):101-107. (観察研究〔症例対照〕、エジプトの18〜45歳の女性。脱毛のある80名と、ない40名。測ったのはビタミンD2。男性は含まれない。抄録のみ確認) PubMed: 23428658
- Koyama 2016: Koyama T, Kobayashi K, Hama T, Murakami K, Ogawa R. Standardized scalp massage results in increased hair thickness by inducing stretching forces to dermal papilla cells in the subcutaneous tissue. Eplasty. 2016;16:e8. (介入研究、健康な日本人男性9名、24週。頭の片側をマッサージし、反対側をマッサージしない比較の場所にした。両側の間の差は有意でなかった。共著者2名の所属はアンファー株式会社。培養細胞の実験を含む。PMC の全文で確認。図の説明では太さの増加を12週と書いており、抄録・本文の24週と食い違う) PubMed: 26904154
- スカルプD 公式オンラインストア「スカルプD 薬用スカルプシャンプー オイリー[脂性肌用]」(原材料・成分). (メーカーの公式サイトの表示。成分は変更されることがある) スカルプD 公式サイト(2026年10月10日確認)
免責事項
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、 医学的なアドバイスや診断・治療の代替となるものではありません。医師個人による執筆・監修は行っていません。 頭皮や毛髪に関する具体的な症状がある場合は、 皮膚科専門医またはAGA専門クリニックにご相談ください。
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