「最近、抜け毛が増えた気がする」「頭頂部が薄くなってきた?」——そんな違和感を感じても、いきなりクリニックに行くのはハードルが高いものです。本記事では、病院に行く前に自宅で確認できる AGA セルフチェック10項目 を、日本皮膚科学会ガイドラインと査読論文をもとに編集部が整理しました。3つ以上当てはまれば、AGA の可能性を疑い、専門家への相談を検討してください。
なぜセルフチェックが重要か
AGA は早期発見が予後を左右する
エビデンス:中5年の成績は診療ガイドラインの引用。開始時期を比較した研究はない参照: 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」
AGA は進行性 の疾患であり、放置すれば毛包そのものが消失する可能性があります。毛包が完全に失われた部位は、内服薬・外用薬を含むあらゆる治療を行っても発毛が期待できません。
日本人男性801名がフィナステリドを5年続けた観察研究(Yoshitake 2015)では、5年間続けて評価できた人の約 99.4% で写真評価の「改善」が報告されています(途中でやめた人は含まれません)。効果が不十分だった人には、開始時に40歳以上だった人と、開始時の進行度が高かった人が多く見られました。変化に早く気づけば、進行度が低い段階で医師に相談できます。
AGA 以外の脱毛症と区別する必要
脱毛症には円形脱毛症、脂漏性脱毛症、牽引性脱毛症、抜毛症など複数の種類があり、それぞれ原因と治療法が異なります。AGA は男性ホルモン(DHT)由来の脱毛症であり、AGA 治療薬で対応可能な疾患です。
セルフチェックで AGA らしさを評価することは、適切な治療を受けるための第一歩になります。
セルフチェック10項目
エビデンス:限定的10項目はAGAの臨床像に基づく整理で、各項目の識別精度は未検証
① 生え際の後退(M字化)
鏡で正面から見て、両こめかみの生え際が以前より後退していないか確認します。眉毛の上から指 4 本分が標準的な額の高さで、それ以上後退していると AGA の可能性があります。
② 頭頂部の透け
明るい蛍光灯の下、または日中の自然光で、頭頂部のつむじ周辺 に地肌が透けて見えないか確認します。スマホで自撮りして頭頂部を撮ると客観的に判断しやすくなります。
③ 抜け毛の本数増加
健康な人でも 1 日 50〜100 本の抜け毛があります。シャンプー時の排水溝や枕についた抜け毛が以前より明らかに増えた場合、AGA の可能性があります。1 日 200 本以上の抜け毛は要注意です。
④ 抜け毛の質的変化(細く短い毛が混在)
抜け毛をよく観察してください。細く・短い毛(5cm 以下)が混ざっていれば、毛包のミニチュア化が進行している兆候です。これは AGA に特徴的なサインで、健康な毛が成長期を完了せずに脱落していることを示します。
⑤ 髪のボリュームダウン
美容師や家族から「最近、髪が薄くなった?」と言われた、髪型がきまりにくくなった、ワックスをつけてもボリュームが出ない——これらは客観的なサインです。3〜6 ヶ月前の写真と比較すると変化がわかります。
⑥ 髪が細くなった感覚
髪 1 本 1 本を指で触ったときに、以前より細く・コシがないと感じる場合、AGA の進行サインです。特に前頭部・頭頂部の髪が細くなりやすい傾向があります。
⑦ 家族歴(特に父方・母方の男性家系)
父・祖父(父方)、叔父、母方の祖父など男性家系に薄毛の人がいる場合、AGA 発症リスクが高くなります。アンドロゲン受容体遺伝子は両親双方から受け継ぐため、母方の遺伝も無視できません。
⑧ 進行性の変化
3〜6 ヶ月前と比較して明らかに薄毛が進行している場合、AGA の可能性が高くなります。AGA は進行性のため、時間の経過とともに状態が悪化します。一時的な脱毛(季節性、ストレス性)とは区別が必要です。
⑨ 頭皮の脂っぽさ・皮脂量の増加
AGA の方は皮脂分泌が増える傾向があります。これは I 型 5α-リダクターゼが皮脂腺に分布しているためです。頭皮が以前よりベタつく、洗髪後すぐに脂っぽくなる場合、AGA との関連が示唆されます。
⑩ 年齢による発症リスク
エビデンス:限定的年代別の数字は学会ガイドライン2017年版が引く2004年の意識調査(アンケート)で、個人の発症を予測するものではない
AGA は思春期以降の男性であれば、どの年代でも発症する可能性があります。日本皮膚科学会のガイドライン(2017年版)が記載している年代別の発症頻度は次のとおりです(出典は2004年の意識調査):
- 20 代:約 10%
- 30 代:約 20%
- 40 代:約 30%
- 50 代以降:40 数%
20 代でも油断はできません。「若いから違う」とは判断しないでください。
判定:何個当てはまれば AGA の可能性?
当てはまった項目数別の判定目安
エビデンス:限定的項目数の目安は編集部の整理で、診断精度を検証した研究はない
- 0〜2 項目:AGA の可能性は低い。経過観察で OK
- 3〜4 項目:AGA の可能性あり。専門家への相談を検討
- 5〜6 項目:AGA の可能性が高い。早期相談を強く推奨
- 7 項目以上:AGA の可能性が非常に高い。すぐに専門医に相談
診断は皮膚科または AGA 専門クリニックで、医師の問診と視診で行われます(AGA以外が疑われるときは、血液検査などが加わることがあります)。セルフチェックはあくまで目安として活用してください。
AGA 以外の脱毛症との見分け方
エビデンス:限定的各脱毛症の典型的な特徴に基づく整理で、自己判定の精度は未検証
円形脱毛症:突然・円形・自己免疫
円形脱毛症は、突然・円形(コインサイズ)に毛が抜ける のが特徴です。原因は自己免疫反応で、AGA の進行性とは異なります。皮膚科で確定診断と治療(ステロイド外用、ステロイド局所注射など)を受けます。
びまん性脱毛症:頭部全体の均等な薄毛
頭部全体に均等に薄くなる脱毛症で、栄養不足・ホルモン異常・過度なダイエット・産後(女性)などが原因です。AGA のように特定部位(前頭部・頭頂部)から始まることはありません。
脂漏性脱毛症:頭皮の炎症が原因
頭皮の脂漏性皮膚炎が長期化することで起こる脱毛症です。強いかゆみ・赤み・フケ を伴うのが特徴です。皮膚科で抗炎症治療を受けると改善します。
牽引性脱毛症:機械的な刺激が原因
髪を強く引っ張る髪型(オールバック、タイトなポニーテール)を長期間続けることによる脱毛症です。原因となる物理的刺激を取り除けば改善します。
セルフチェック後の次のステップ
3 項目以上当てはまった方
まずは AGA 専門クリニックの無料カウンセリング を利用するのが推奨です。多くのクリニックでオンライン無料カウンセリングを提供しており、自宅から相談できます。
診察で行われる検査
- 視診(生え際・頭頂部の確認)
- マイクロスコープでの頭皮・毛根観察
- 問診(家族歴・進行スピード・服用中の薬)
- AGA以外の脱毛が疑われるときは血液検査
血液検査や遺伝子検査キットがそれぞれ何を見ているのか、皮膚科・AGAクリニック・オンライン診療で何ができるのかは AGAの検査はどこで何をする? で整理しています。
診察で確定したら治療開始の判断
エビデンス:中内服薬と外用薬の併用は診療ガイドラインが推奨する標準治療参照: 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」、Kaufman KD, et al.
AGA と確定診断されれば、フィナステリドまたはデュタステリド の内服薬と外用ミノキシジルの組み合わせが標準的な治療になります。月額の費用相場は 5,000〜15,000 円程度です。
まとめ:違和感は早期サイン、放置せず行動を
AGA セルフチェックは「自分の状態を客観的に把握する」第一歩です。3 項目以上当てはまれば、AGA の可能性を疑い、専門家への相談を強く推奨します。早期に治療を始めた場合の成績は複数の臨床データで報告されており、「気のせいかも」と先延ばしにすることが最大のリスクです。
- セルフチェック10項目で客観的に状態を把握
- 3 項目以上で AGA の可能性、5 項目以上で早期相談を推奨
- AGA 以外の脱毛症(円形脱毛症など)とは見分け可能
- 確定診断は皮膚科または AGA 専門クリニックで
- 無料オンラインカウンセリングなら自宅から相談可能
Re:Men では、5 問 30 秒の無料 AGA クリニック診断 を用意しています。あなたの予算・診療形態の希望から、料金・治療法・全国対応・返金保証など客観的指標で最適なクリニックをご提案します。
参考文献
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」日本皮膚科学会雑誌 127(13): 2763-2843
- Kaufman KD, et al. Finasteride in the treatment of men with androgenetic alopecia. J Am Acad Dermatol. 1998;39(4 Pt 1):578-589
- Norwood OT. Male pattern baldness: classification and incidence. South Med J. 1975;68(11):1359-1365
