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AGA・薄毛

AGA治療の種類と薬の選び方|フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルの違い【2026年】

出典の確認 最終更新 編集方針PR
公開 2026-03-17約11分で読めます編集責任者: 寺本

本記事はアフィリエイト広告を含みます。掲載順位やレビュー内容は報酬の有無に影響されません。詳細

要点この記事のポイント

AGA治療の種類と薬の選び方を、日本皮膚科学会ガイドライン2017年版の推奨度と添付文書で整理。フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル外用の違い、組み合わせ方、推奨されない治療、副作用が出たときにやめて相談する目安を出典つきでまとめます。

  1. 日本皮膚科学会のガイドライン2017年版が推奨度A(行うよう強く勧める)とする治療は、フィナステリド内服・デュタステリド内服・ミノキシジル外用5%の3つで、いずれも国内で承認されている
  2. 飲み薬の2つは、テストステロンがDHTに変わるときに働く5α還元酵素を阻害する(フィナステリドはII型、デュタステリドはI型とII型)。ミノキシジル外用5%は頭皮に塗る一般用医薬品で、効能に「発毛」が入る
  3. ガイドラインにも添付文書にも、3剤の組み合わせ方や始める順番の決まりはない。どれから始めるか、何を足すかは医師と決める
  4. ミノキシジル内服は国内未承認で推奨度D、10%・15%の外用は国内未承認、頭皮への注入(成長因子導入・細胞移植療法)は推奨度C2
  5. 効果の確認には、プロペシア錠とザガーロは通常6ヵ月、リアップX5は少なくとも4ヵ月かかると添付文書にある。ガイドラインは、フィナステリドの内服をやめると効果は消失するとしている

この記事の判断材料

結論

国内で承認され、ガイドラインが推奨度Aとしているのはフィナステリド内服・デュタステリド内服・ミノキシジル外用5%の3つ。飲み薬はDHTを作る酵素を抑え、外用は頭皮に塗って使う。組み合わせ方と始める順番に決まりはなく、医師と決める。

エビデンスの強さ

強3剤はいずれもプラセボと比べたランダム化比較試験があり、ガイドラインの推奨度はA(フィナステリドは18〜41歳の男性1,553名の1年の試験2件と、1,215名が進んだ2年目の延長を報告したKaufman 1998、ミノキシジル外用は男性393名・48週のOlsen 2002など)。3剤の組み合わせ方や始める順番をくらべた研究は、この記事では引用していない。

研究結果

  • 診療ガイドライン / 2017 / 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
  • RCT / N=1,553 / 1998 / Kaufman 1998
  • RCT / N=393 / 2002 / Olsen 2002

Re:Men の解釈

添付文書の効能は、プロペシア錠が「男性における男性型脱毛症の進行遅延」、リアップX5が「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」で、「止める薬」「生やす薬」という言い方はこの違いから来ている。ただし飲み薬の試験でも毛髪数の増加は報告されており、きれいに分かれるわけではない。組み合わせ方や順番を定めた推奨はないため、進み具合・持病・副作用の出方を医師と見ながら決める選択として読むのが原本に沿う。

今日やること

  1. 頭頂部と生え際の写真を、同じ場所・同じ明るさ・同じ角度で撮り、日付を残す
  2. 持病(血圧・心臓・肝臓など)と、飲んでいる薬を書き出して、診察で見せる
  3. 始める日に、6ヵ月後に医師と経過を見直す日を決めておく

この方法を試す前に

  1. フィナステリド・デュタステリドは男性の薬で、女性と子どもには使わない(ザガーロは女性・小児が禁忌、プロペシアは妊婦・授乳中の女性が禁忌)。家族の女性(特に妊娠中・妊娠の可能性がある・授乳中の人)や子どもが、割れた錠剤や漏れたカプセルの中身に触れないようにする
  2. フィナステリドを飲んでいる間に、死にたい気持ちや自殺を図る考えが出たら、服用を中止して速やかに医師に連絡する(プロペシア錠 添付文書 8.2)。死にたい気持ちがあるときは #いのちSOS(0120-061-338、24時間365日)に電話できる。命に危険が差し迫っているときは119番へ
  3. ミノキシジル外用で、頭皮の発疹・赤み・かゆみ・かぶれ、頭痛・気が遠くなる・めまい、胸の痛みや心拍が速くなる感じ、急な体重増加や手足のむくみが出たら、すぐに使用をやめて医師か薬剤師に相談する(リアップX5 添付文書)
  4. 健診や人間ドックでPSA検査を受けるときは、フィナステリド・デュタステリドを飲んでいることを検査の医師に伝える
  5. 斑状に抜ける・急に抜ける・頭髪以外も抜ける場合は、AGA以外の脱毛症の可能性があるので、先に医師に相談する
  6. ミノキシジル内服は国内で医薬品として承認されておらず、ガイドラインの推奨度はD。勧められたときは、使うかどうかを必ず医師に確認する
AGA治療の種類と薬の選び方|フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルの違い【2026年】 のメインビジュアル

AGAの治療を調べると、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルといった薬の名前が並びます。飲み薬か塗り薬か、医師の処方が要るか薬局で買えるかも違い、どれをどう組み合わせるのかが分かりにくいところです。

このページでは、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(以下、ガイドライン)の推奨度と、各薬の添付文書、臨床試験の論文で確かめられる範囲に絞って、治療の種類、3つの薬の違い、組み合わせ方の考え方を整理します[1]。費用はAGA治療の費用、医療機関の比較はAGAのカテゴリページで扱っています。

医療に関する注意 :AGAの確定診断と治療方針の決定は医師が行います。本記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療に代わるものではありません。効果・副作用には個人差があり、効果を保証するものではありません。薬の開始・変更・中止は自己判断せず、必ず医師に相談してください。ただし、フィナステリドを飲んでいて自殺念慮・自殺企図があらわれたときは、服用を中止して速やかに医師に連絡するよう添付文書に書かれています[4]。死にたい気持ちがあるときは、#いのちSOS(0120-061-338、24時間365日)に電話できます[7]。命に危険が迫っているときは、ためらわず119番に電話してください。

本記事の立場 :医師個人による執筆・監修は行っていません。学会ガイドライン等の公開資料を編集部が整理しています。

AGAと治療の前提

AGA(男性型脱毛症)は、毛周期のうち成長期が短くなり、前頭部や頭頂部の毛が細く短くなっていく脱毛症です。ガイドラインは、前頭部や頭頂部でテストステロンがII型5α還元酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変わり、成長期を短くする方向に働くと説明しています。日本人男性の発症頻度は、ガイドラインに全年齢平均で約30%と書かれています(ガイドラインが出典に挙げているのは1981年の報告です)[1]。定義や進み方、年代別の数字の出どころはAGAとはで詳しく扱っています。

治療は続けることが前提です。ガイドラインはフィナステリドについて「内服を中止すると効果は消失する」と書き、リアップX5の添付文書も、使用を中止すると「徐々に元に戻ります」としています[1][6]。

治療の種類と推奨度

エビデンス:強推奨度Aの3剤は、プラセボと比べた複数のランダム化比較試験が根拠参照: 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版、Kaufman 1998、Olsen 2002

表の推奨度は、ガイドラインが男性型脱毛症について付けたもので、A(行うよう強く勧める)・B(行うよう勧める)・C1(行ってもよい)・C2(行わないほうがよい)・D(行うべきではない)の5段階です。推奨度はガイドラインの表1[1]、国内の承認は添付文書と医薬品情報のデータベース(2026年10月8日に確認)によります[4][5][6][10]。

治療 国内の承認 推奨度
フィナステリド内服 医療用医薬品(プロペシア錠と後発品) A
デュタステリド内服 医療用医薬品(ザガーロカプセルと後発品) A
ミノキシジル外用5% 一般用医薬品(第1類医薬品、男性用) A
自毛植毛術 医療機関で行う手術 B
成長因子導入・細胞移植療法(注入) — C2
ミノキシジル内服 国内未承認 D
ミノキシジル外用10%・15% 国内未承認 推奨の対象外

推奨度Aの3剤は、どれもプラセボ(偽薬)と比べたランダム化比較試験が根拠です[1]。推奨度がA以外の治療は、あとの推奨度がA以外の治療で説明します。

推奨度Aの3剤の違い

3剤を同じ項目で並べます。処方箋医薬品か第1類医薬品かの区分、効能・用法・効果を判断する時期・副作用・女性と小児の扱いは添付文書[4][5][6]、阻害する酵素と飲み薬をやめたときの扱い、ミノキシジル外用の副作用はガイドライン[1]、第1類医薬品を買うときに薬剤師から情報提供を受ける決まりは厚生労働省の解説[11]によります。

項目 フィナステリド内服 デュタステリド内服 ミノキシジル外用5%
入手 医師の処方 医師の処方 薬局で、薬剤師から情報提供を受けて買う(第1類医薬品。インターネットでも買える)
添付文書の効能 男性における男性型脱毛症の進行遅延 男性における男性型脱毛症 壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防
働き 5α還元酵素のII型を阻害し、DHTが作られるのを抑える 5α還元酵素のI型とII型を阻害する 頭皮に直接塗って使う
用法 通常0.2mgを1日1回。必要に応じて増量でき、1日1mgが上限 通常0.1mgを1日1回。必要に応じて0.5mgを1日1回 1日2回、1回1mLを頭皮に塗る。対象は20歳以上の男性
効果を判断する時期 効果の確認まで通常6ヵ月の連日投与が必要 効果の評価には通常6ヵ月間の治療が必要 効果がわかるまで少なくとも4ヵ月間、毎日使う
主な副作用 リビドー減退(1〜5%未満)、勃起機能不全・射精障害・精液量減少(1%未満)、肝機能障害(頻度不明) 性機能不全(リビドー減退・勃起不全・射精障害。1%以上)、乳房障害(1%未満)、肝機能障害・黄疸(頻度不明) かゆみ・紅斑・落屑・毛包炎・接触皮膚炎・顔面の多毛(ガイドライン)
やめたとき 内服を中止すると効果は消失する(ガイドライン) 1年を超える効果と中止後の変化は検討されていない(ガイドライン) 使用を中止すると徐々に元に戻る(添付文書)
女性・小児 女性に適応はない(妊娠中・妊娠の可能性・授乳中は禁忌)。小児等に適応はない 女性と小児等は禁忌 男性用

フィナステリドの試験データと副作用はフィナステリドの効果と副作用、2つの飲み薬の比較試験・献血・PSA検査への影響の違いはデュタステリドとフィナステリドの違い、ミノキシジルの外用と内服の違いはミノキシジルの外用と内服の違いで詳しく整理しています。

飲み薬と塗り薬の役割

フィナステリドは「抜け毛を止める薬」、ミノキシジルは「毛を生やす薬」と説明されることがあります。添付文書の効能を並べると、この言い方の元になっている違いが見えます。プロペシア錠の効能は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」、リアップX5の効能は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」です[4][6]。

ただし、きれいに分かれるわけではありません。18〜41歳の男性1,553名が参加したフィナステリドの1年のランダム化比較試験2件と、そのうち1,215名が進んだ2年目の盲検の延長試験の報告(Kaufman 1998)の抄録は、フィナステリド1mg/日の群で、毛髪数などすべての評価方法で1年・2年ともにプラセボ群との差があったと書いています[2]。ミノキシジル外用では、18〜49歳の男性393名を5%・2%・プラセボに分けた48週の二重盲検のランダム化比較試験(Olsen 2002)で、毛の本数の増え方は5%群が他の2群より有意に多かったと報告されています[3]。

どちらも毛の本数などを数えた結果で、使う人全員に同じ変化が出るという意味ではありません。リアップX5の添付文書も「本剤は誰にでも効果があるわけではありません」と書いています[6]。

組み合わせ方と始め方

ガイドラインにも添付文書にも、3剤の組み合わせ方や、どれから始めるかの決まりはありません。フィナステリドからデュタステリドへ切り替える時期や手順も書かれていません。ガイドラインは3剤の併用そのものを評価した項目を設けていません[1][4][5][6]。

下の表は、推奨度Aの薬の範囲でとりうる選択肢を、目的ごとに並べたものです。表の順番は推奨の順位ではありません。どれにするかは、進み具合・持病・副作用の出方を見て医師と決めます。「確かめること」の列は、添付文書[4][5][6]、ガイドライン[1]、日本赤十字社の血液センターの案内[8]によります。

目的 推奨度Aの範囲での選択肢 確かめること
抜け毛の進行を抑えたい フィナステリドかデュタステリドの内服(どちらか一方) 効果の判断は通常6ヵ月。家族の女性や子どもが薬に触れないようにする。PSA検査のときは服用を伝える
毛の量も増やしたい 内服(どちらか一方)とミノキシジル外用5% 併用そのものはガイドラインで評価されていない。外用で頭皮の症状や動悸・むくみが出たら使用をやめて相談する
飲み薬を使えない・使いたくない ミノキシジル外用5% 効果がわかるまで少なくとも4ヵ月。6ヵ月使って改善が認められなければ中止して相談する(添付文書)
6ヵ月続けても変化が乏しい フィナステリドからデュタステリドへの切り替えや、外用の追加を医師と相談 添付文書は、6ヵ月以上飲んでも効果がみられなければ投薬を中止するとしている。切り替えの時期や手順の決まりはない。献血できない期間は服薬中止後、フィナステリド1ヵ月、デュタステリド6ヵ月(日本赤十字社の血液センターの案内)

フィナステリドとデュタステリドは、どちらも5α還元酵素を阻害する同じ種類の薬です[1]。表で「どちらか一方」としているのはこのためです。切り替えを考えるときの確認点はフィナステリドからデュタステリドへの切り替えで整理しています。

エビデンス:限定的注入はC2、植毛はBだがRCTやシステマティックレビューはない参照: 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

  • ミノキシジル内服 :国内ではどの用途でも医薬品として承認されていません(2026年10月8日に医薬品情報のデータベースで確認。ミノキシジルの医療用医薬品は0件でした)[10]。ガイドラインは推奨度D(行うべきではない)とし、解説で臨床試験が行われていないこと、内服用製剤の添付文書に胸痛・動悸・息切れ・うっ血性心不全などの重大な心血管系障害の記載があることを挙げています[1]
  • ミノキシジル外用10%・15% :国内で一般用医薬品として承認されているのは5%(男性用)までです。同じデータベースで成分を「ミノキシジル」として調べると、一般用医薬品49製品の濃度は、すべて5%か1%でした[10]。ガイドラインが推奨度Aとしているのも男性型脱毛症に対する5%で、高濃度品は推奨の対象ではありません[1]
  • 頭皮への注入 :ガイドラインで注入にあたる項目は「成長因子導入および細胞移植療法」(CQ13)だけです。CQ13は、毛を誘導する力をもつ細胞の移植や、細胞を培養した液からつくったもの、PRP(多血小板血漿)などを脱毛部に注入する治療を扱っていて、推奨度はC2(行わないほうがよい)です。解説は、臨床試験の多くが限られた施設での先進医療の段階にあり、安全性も含めて有効性は十分に検証されているとはいえないとしています。薬の成分を頭皮に注入する方法については、ガイドラインに項目がありません[1]。医療機関で「メソセラピー」などの名前で案内される注入を考えるときは、何を注入するのかを確かめてください
  • 自毛植毛術 :推奨度Bです。ただしガイドラインは、ランダム化比較試験やシステマティック・レビューは実施されていないと書いたうえで、内服薬やミノキシジル外用で効果が十分でない症例に対し、他に手段がない状況で、十分な経験と技術を持つ医師が施術する場合に限って勧めています。人工毛植毛術は推奨度Dです[1]

国内で承認されていない医薬品は、医療機関で処方されたものでも、健康被害が起きたときに医薬品副作用被害救済制度の対象外です(PMDAは給付の対象を「製造販売の承認・許可を受けた医薬品」としています)[9]。注入と植毛の費用の扱いはAGA治療の費用の「注入療法と植毛」にまとめています。

費用と受診先

プロペシア錠とザガーロカプセルの添付文書には「本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)」と書かれています[4][5]。ミノキシジル外用5%は薬局で買う一般用医薬品で[6]、3剤とも費用は全額自己負担です。2026年9月時点の各院の公式価格と1年分の計算はAGA治療の費用、返金保証の条件は同じ記事の返金保証の節で扱っています。

医療機関をくらべるときは、処方される薬が国内承認品か(先発品か後発品か)、「月額○円から」がどの薬の価格か、初回だけの価格か継続の価格かを確かめてください。院ごとの違いはAGAのカテゴリページ、条件から候補を絞るときはクリニック診断が使えます。

副作用と、やめて相談する目安

フィナステリド :プロペシア錠の添付文書の頻度の区分では、リビドー減退が1〜5%未満、勃起機能不全・射精障害・精液量減少が1%未満です。リビドー減退・勃起機能不全・射精障害については、「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある」と注記されています。重大な副作用には肝機能障害(頻度不明)が挙がっています[4]。

また、添付文書は重要な基本的注意(8.2)として、因果関係は明らかではないものの自殺念慮・自殺企図・自殺既遂が報告されていることを挙げ、自殺念慮又は自殺企図があらわれた場合には服用を中止し、速やかに医師等に連絡するよう患者に指導することを求めています[4]。死にたい気持ちがあるときの電話相談として、厚生労働省「まもろうよ こころ」は #いのちSOS(0120-061-338、24時間365日)などを案内しています[7]。命に関わる危険が差し迫っているときは、ためらわず119番に連絡してください。

デュタステリド :ザガーロカプセルは経皮吸収されるため、添付文書は女性や小児がカプセルから漏れた薬剤に触れないよう求めています。カプセルの中身が口やのどの粘膜を刺激することがあるので、噛んだり開けたりせずに飲むようにも書いています。女性と小児等、重い肝機能障害のある人は禁忌です[5]。

ミノキシジル外用 :リアップX5の添付文書は、頭皮の発疹・発赤・かゆみ・かぶれ、頭痛・気が遠くなる・めまい、胸の痛み・心拍が速くなる、原因のわからない急激な体重増加・手足のむくみが出たら、直ちに使用を中止して相談するよう書いています。6ヵ月間使用して改善が認められない場合と、6ヵ月以内でも脱毛状態の悪化や斑状・急激な脱毛がある場合も、中止して相談します[6]。ガイドラインは、外用の初期に休止期脱毛がみられることがあり、患者への説明が必要だとも書いています(AGA初期脱毛の解説)[1]。

性機能の変化など、そのほかの症状に気づいたときは、続けるか、やめるか、量を変えるかを自分だけで決めず、処方医(市販の外用薬なら購入した薬局の薬剤師)に相談してください。3剤の副作用を頻度の区分つきで並べた一覧はAGA治療薬の副作用一覧にあります。

よくある質問

Q1. AGAの治療は何歳から受けられますか?

プロペシア錠の添付文書は「20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない」としています[4]。ガイドラインは、国内の臨床試験が20歳以上の男性を対象に行われたことを理由に挙げています[1]。リアップX5の対象も20歳以上の男性です[6]。年齢と始める時期の考え方はAGA治療は何歳からで整理しています。

Q2. フィナステリドとデュタステリドは、どちらから始めますか?

ガイドラインにも添付文書にも、どちらを先に使うかの決まりはありません[1][4][5]。承認用量どうしをくらべた試験の結果、副作用、献血できない期間、PSA検査への影響の違いを並べたうえで、医師と決めます。違いはデュタステリドとフィナステリドの違いにまとめています。

Q3. ミノキシジルは外用と内服のどちらがいいですか?

国内で承認され、ガイドラインが推奨度Aとしているのは外用の5%です。内服は国内で医薬品として承認されておらず、推奨度はDです[1]。10%・15%の外用も国内では承認されていません[10]。

Q4. 3つの薬を同時に使ってもいいですか?

フィナステリドとデュタステリドは同じ種類の薬なので、使うのはどちらか一方です。飲み薬とミノキシジル外用5%の組み合わせは推奨度Aの薬どうしですが、ガイドラインは併用そのものを評価していません[1]。組み合わせるかどうかは医師と決めてください。

Q5. 市販の育毛剤や発毛剤でもAGAの治療になりますか?

薬局で買えるもののうち、ガイドラインが推奨度Aとしているのはミノキシジル5%の外用薬(第1類医薬品)です。ガイドラインは、育毛剤などに使われる成分にも推奨度を付けていて、アデノシンの外用はB(男性型脱毛症に行うよう勧める)、t-フラバノン、サイトプリンとペンタデカンを配合した育毛剤の外用はC1(行ってもよい)です[1]。市販の外用薬を使うときは、添付文書の「使用を中止して相談する」症状を先に確かめてください。薬局での買い方と、処方の飲み薬との違いは市販の発毛剤と処方薬の違いで整理しています。

Q6. 後発品(ジェネリック)と先発品で違いはありますか?

厚生労働省のリーフレットによると、国内の後発品は、先発品と同じ有効成分を同じ量含み、有効性・安全性・品質について国の審査を受けて製造販売が承認された医薬品です[12]。一方、国内で承認を受けていない海外製の後発品は、健康被害が起きたときに医薬品副作用被害救済制度の対象外になります[9]。処方される薬がどちらかは、公式サイトの表記や診察で確かめてください。

Q7. 治療はいつまで続けますか?

ガイドラインはフィナステリドについて「内服を中止すると効果は消失する」と書き、リアップX5の添付文書も使用を中止すると「徐々に元に戻ります」としています[1][6]。何ヵ月で元に戻るかという期間は、どちらにも書かれていません。やめるかどうかは、自己判断せず医師と相談してください。3ヶ月・6ヶ月・1年の経過の見方はAGA治療の効果はいつからで整理しています。

Q8. 副作用が出たら、薬をやめてもいいですか?

フィナステリドで死にたい気持ちや自殺を図る考えが出たときと、ミノキシジル外用で頭皮の症状・めまい・胸の痛み・動悸・むくみなどが出たときは、添付文書に従って中止し、速やかに医師(外用は医師か薬剤師)に相談します[4][6]。そのほかの症状は、自己判断で量を変えたりやめたりせず、処方医に相談してください。

まとめ

  • 国内で承認され推奨度Aなのは、フィナステリド内服・デュタステリド内服・ミノキシジル外用5%の3つ[1][10]
  • 飲み薬の2つは5α還元酵素を阻害してDHTを抑える。外用は頭皮に塗り、効能に「発毛」が入る。ただし飲み薬の試験でも毛髪数の増加が報告されている[1][2][6]
  • 3剤の組み合わせ方と始める順番に決まりはなく、医師と決める。フィナステリドとデュタステリドはどちらか一方[1][4][5]
  • ミノキシジル内服(推奨度D)と10%・15%の外用は国内未承認。注入はC2[1][10]
  • 効果の確認は内服で通常6ヵ月、外用で少なくとも4ヵ月。添付文書にある中止して相談する症状が出たら、使用をやめて相談する[4][5][6]

改訂履歴

2026年10月8日:本文の数字と記述を、参考文献と番号で1対1に結びました。ガイドライン(2017年版の原本PDF)、プロペシア錠とザガーロカプセルの添付文書、リアップX5の説明書(製品カタログに載っている現行版)、論文の抄録、公的機関のページを、同じ日に取り直して照合しています。判断ブロックで「海外1,553名・2年」としていたフィナステリドの試験(Kaufman 1998)は、1,553名は1年の試験2件の人数で、2年目に進んだのは1,215名でした。本文とあわせてそのとおりに直しました。よくある質問Q5の「医薬部外品の育毛剤は、医薬品のミノキシジルやフィナステリドを含みません」は、一次資料で確かめられなかったため削除し、ガイドラインが育毛剤などの成分に付けている推奨度に置き換えました。頭皮への注入は、「注入する中身も院ごとに違います」という出典のない記述を外し、ガイドラインのCQ13が扱う治療の範囲と、薬の成分を注入する方法には項目がないことを書きました。ザガーロカプセルを噛んだり開けたりしない理由は、添付文書の記載(中身が口やのどの粘膜を刺激することがある)に合わせました。6ヵ月続けても変化が乏しい場合の欄には、添付文書の「6ヵ月以上投与しても効果がみられない場合には投薬を中止する」を書き足しました。参考文献には、研究の種類・人数・限界を1行ずつ添え、確認に使った医薬品情報のデータベース、厚生労働省の一般用医薬品の解説、後発品のリーフレットを加えました。

2026年10月1日:「AGA治療薬の効果・費用・副作用を一覧で整理」と「フィナステリドとミノキシジルの比較」の2記事をこのページに統合し、ガイドライン・添付文書・論文抄録と照合して全面改訂しました。3剤の比較表、飲み薬と塗り薬の役割の違い、組み合わせ方、推奨度がA以外の治療、副作用と中止して相談する目安、よくある質問を統合・追記しました。出典を確認できなかった数値(フィナステリドの「約98%で進行抑制、約58%で改善」、デュタステリドの「約1.6倍の発毛効果」、ミノキシジル外用の「約70%で改善」、治療法ごとの月額の目安)と、「治療奏功のサイン」「オンライン診療のほうが安い」などの記述を削除しました。年代別の発症頻度は、出どころ(アンケート調査)の説明とあわせて「AGAとは」の記事に譲りました。注入療法の推奨度をC1としていた誤りをC2(CQ13)に直し、進行した場合の選択肢から国内未承認のミノキシジル内服と10%以上の外用を外しました。副作用は「中止すれば回復する」としていた記述を、添付文書の記載(投与中止後も持続したとの報告がある)に直しました。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」日皮会誌. 2017;127(13):2763-2777(推奨度の分類/疾患概念・発症頻度/病態/表1 CQ一覧と推奨度/CQ1解説=II型阻害、20歳未満、中止で効果消失/CQ2解説=I型・II型阻害、1年超と中止後は未検討/CQ3 5%ミノキシジル外用・有害事象・初期の休止期脱毛/CQ4 植毛術/CQ6 アデノシン/CQ8 t-フラバノン/CQ9 サイトプリンおよびペンタデカン/CQ13 成長因子導入および細胞移植療法/CQ14 ミノキシジルの内服). 日本皮膚科学会のサイトに掲載のPDF(2026年10月8日確認) (診療ガイドライン2017年版。2016年12月までに検索できた文献をもとにしていて、それ以降の研究は反映されていない。推奨度には、委員会の合意で決めた項目があると書かれている)
  2. Kaufman 1998: Kaufman KD, Olsen EA, Whiting D, et al. Finasteride in the treatment of men with androgenetic alopecia. Finasteride Male Pattern Hair Loss Study Group. J Am Acad Dermatol. 1998;39(4 Pt 1):578-589. PubMed: 9777765 (1年のランダム化比較試験2件で、18〜41歳の男性1,553名。2年目の盲検の延長に進んだのは1,215名。筆頭著者の所属は製薬会社の研究所。抄録で確認し、本文は読んでいない)
  3. Olsen 2002: Olsen EA, Dunlap FE, Funicella T, et al. A randomized clinical trial of 5% topical minoxidil versus 2% topical minoxidil and placebo in the treatment of androgenetic alopecia in men. J Am Acad Dermatol. 2002;47(3):377-385. PubMed: 12196747 (二重盲検のランダム化比較試験で、18〜49歳の男性393名〔5%群157名・2%群158名・プラセボ群78名〕。期間は48週まで。抄録で確認し、本文は読んでいない)
  4. プロペシア錠0.2mg/1mg 添付文書(オルガノン、2023年8月改訂 第4版。2. 禁忌/4. 効能又は効果/5. 効能又は効果に関連する注意/6. 用法及び用量/7. 用法及び用量に関連する注意/8. 重要な基本的注意/9.7 小児等/11. 副作用/12. 臨床検査結果に及ぼす影響/17. 臨床成績/25. 保険給付上の注意). PMDA 医療用医薬品の添付文書情報(2026年10月8日確認) (医療用医薬品の添付文書。国内の承認の根拠になった試験は、24〜50歳で頭頂部が薄くなる型〔Ⅱvertex・Ⅲvertex・Ⅳ・Ⅴ〕の男性414例、48週)
  5. ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書(グラクソ・スミスクライン、2025年8月改訂 第2版。2. 禁忌/4. 効能又は効果/6. 用法及び用量/7. 用法及び用量に関連する注意/8. 重要な基本的注意/11. 副作用/14. 適用上の注意/17. 臨床成績/25. 保険給付上の注意). KEGG MEDICUS(JAPIC)(2026年10月8日確認) (医療用医薬品の添付文書。効果の試験は、20〜50歳でⅢvertex・Ⅳ・Ⅴの男性917例〔日本人200例を含む〕の24週の国際共同試験と、国内120例の52週の試験)
  6. リアップX5 説明書(大正製薬。製品カタログに載っている現行版で、文書に改訂年月の表示はない。版の符号「81 KY4E1」。効能・効果/用法・用量/してはいけないこと/相談すること/その他の注意). 大正製薬の製品カタログに掲載のPDF(2026年10月8日確認) (一般用医薬品の説明書。対象は20歳以上の男性で、説明書の図より脱毛の範囲が広い場合は効果が得られない可能性があると書かれている)
  7. 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談窓口. 厚生労働省のページ(2026年10月8日確認) (公的機関の案内ページ。窓口の番号や受付時間は変わることがある)
  8. 日本赤十字社 福岡県赤十字血液センター「服薬と献血について」. 福岡県赤十字血液センターのページ(2026年10月8日確認) (血液センターの案内ページ。献血できるかどうかは当日の健診医が最終的に判断する、と書かれている)
  9. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度の給付対象」. PMDAのページ(2026年10月8日確認) (公的機関の制度の案内ページ。制度は改定されることがある)
  10. KEGG MEDICUS 医薬品情報の検索(成分「ミノキシジル」で一般用医薬品49件・医療用医薬品0件、「フィナステリド」で医療用医薬品13件、「デュタステリド」で医療用医薬品38件〔前立腺肥大症の薬を含む〕。KEGG のデータは2026年9月16日版). KEGG MEDICUS の検索結果(成分:ミノキシジル、一般用医薬品)(2026年10月8日確認) (医薬品情報のデータベースの検索結果。KEGG に収載されている製品の範囲での結果)
  11. 厚生労働省 WEBマガジン「2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正内容をご紹介します」. 厚生労働省のページ(2026年10月8日確認) (公的機関の解説ページ。ページに掲載日の表示はない。販売の制度は改定されることがある)
  12. 厚生労働省「後発医薬品(ジェネリック医薬品)に関する基本的なこと」のリーフレット(青、2022年3月版). 厚生労働省のPDF(2026年10月8日確認) (公的機関の一般向けリーフレット。個々の製品どうしを比べた資料ではない)

免責事項 :本記事は日本皮膚科学会のガイドライン、医薬品の添付文書、査読論文、公的機関と日本赤十字社の公開資料をもとにした一般的な情報提供であり、診断・治療に代わるものではありません。医師個人による執筆・監修は行っていません。学会ガイドライン等の公開資料を編集部が整理しています。効果・副作用には個人差があり、効果を保証するものではありません。薬の開始・変更・中止は自己判断せず、医師の診察のもとで判断してください。献血の可否は献血当日の健診医が判断します。記載内容は2026年10月時点の公開資料に基づきます。

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