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性の悩み

バイアグラ・シアリス・レビトラの違いと選び方|シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルを添付文書と臨床試験で比較

出典の確認 最終更新 編集方針PR
公開 2026-05-03約13分で読めます編集責任者: 寺本

本記事はアフィリエイト広告を含みます。掲載順位やレビュー内容は報酬の有無に影響されません。詳細

要点この記事のポイント

バイアグラ(シルデナフィル)・シアリス(タダラフィル)・レビトラ(バルデナフィル)の違いを、国内の添付文書と臨床試験で比較しました。作用が出るまでの時間、続く時間、食事の影響、用量、副作用、禁忌と併用禁忌、効果が十分でないときの対応、入手方法と個人輸入の注意を整理しています。

  1. 国内で承認されているED治療薬(PDE5阻害薬)は、シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルの3成分。先発のレビトラ錠は2021年10月に販売中止が案内され、バルデナフィルは後発品が残っている
  2. 3剤を直接比べたRCT 4件では、勃起の改善と有害事象に差がなかった(2009年のシステマティックレビュー)。違いがはっきりしているのは続く時間と食事の影響で、タダラフィルの添付文書には「投与後36時間まで有効性が認められている」「食事の有無にかかわらず投与できる」とある
  3. 国内の用量は、シルデナフィルが25〜50mg、タダラフィルとバルデナフィルが10mg(条件つきで20mgまで)。いずれも1日1回、性行為の約1時間前に飲み、間隔は24時間以上あける
  4. 硝酸薬(ニトログリセリンなど)やリオシグアトを使っている人は、3剤とも使えない。禁忌と併用禁忌は薬ごとに違うので、持病と飲んでいる薬をすべて医師か薬剤師に伝える

この記事の判断材料

結論

3剤の有効性と有害事象は、直接比べた試験では差が示されていない。選ぶ基準は、続く時間(タダラフィルは36時間まで)、食事の影響(シルデナフィルは食事と共に飲むと遅れることがある)、禁忌と飲み合わせ(バルデナフィルは併用禁忌の薬が多い)の3点。どれが合うかは持病と服用中の薬で変わるので、医師の診察で決める。

エビデンスの強さ

強PDE5阻害薬とプラセボを比べたRCTのシステマティックレビュー・メタ解析1件と、82試験のネットワークメタ解析1件、薬ごとのRCTが根拠。ただし多くの試験は12週以下で、3剤を直接比べたRCTは4件と少なく、質の低い試験が多いとされている。用量・禁忌・副作用の頻度は国内の添付文書による。

研究結果

  • システマティックレビュー / 2009 / Tsertsvadze A, et al., Ann Intern Med, 2009
  • メタ解析 / N=47,626 / 2015 / Chen L, et al., Eur Urol, 2015
  • RCT / 1998 / Goldstein I, et al., N Engl J Med, 1998
  • RCT / N=348 / 2003 / Porst H, et al., Urology, 2003
  • RCT / N=732 / 2004 / Montorsi F, et al., J Sex Med, 2004

Re:Men の解釈

3剤のどれが優れているかを決められるほどの直接比較はない。時間を測った試験の多くは海外のもので、シルデナフィル100mgのように国内の承認用量を超える条件も含まれる。国内で使える量と禁忌は添付文書で決まっているので、この記事は薬の違いを知ったうえで医師に相談するための整理として読んでほしい。

今日やること

  1. 飲んでいる薬をすべて書き出す(お薬手帳を用意する)。とくに狭心症の薬(硝酸薬)、不整脈の薬、前立腺肥大症や高血圧の薬、抗真菌薬、抗HIV薬
  2. 直近の健診の血圧と、心臓・肝臓・腎臓・目の病気の有無を確かめる
  3. 使う場面を整理する(時間に余裕を持たせたいか、食事のあとに使うことが多いか)

この方法を試す前に

  1. 硝酸薬・NO供与薬(ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど)やリオシグアトを使っている人は、3剤とも使えない
  2. 心筋梗塞・脳梗塞・脳出血を最近起こした人、重い肝機能障害、低血圧、管理されていない高血圧、網膜色素変性症の人は禁忌にあたる(期間や条件は薬ごとに違う)
  3. 勃起が4時間以上続いたときは、直ちに医師の診察を受ける。急に視力が落ちた・見えなくなったときは、服用をやめて眼科を受診する
  4. 海外製・個人輸入の薬は使わない。国内の調査で偽造品が見つかっており、個人輸入した薬による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象にならない
バイアグラ・シアリス・レビトラの違いと選び方|シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルを添付文書と臨床試験で比較 のメインビジュアル

ED治療薬には、バイアグラ(一般名シルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)、レビトラ(バルデナフィル)の3つの成分があります。いずれも PDE5阻害薬 という同じ種類の薬で、性行為の約1時間前に飲みます。違うのは、作用が続く時間、食事の影響、使える量、いっしょに使えない薬です。

この記事では、3つの薬の違いを、国内の添付文書(2026年10月3日に確認した版)と、PubMedで題名・著者・抄録を確かめた臨床試験・レビューだけで整理します。数字には、どの資料の、どんな対象の結果かを添えました。価格は医療機関ごとに違い、確認日つきで示せないため載せていません。

医療用のED治療薬は、医師の診察を受けて処方される薬です。どの薬が合うかは、持病と飲んでいる薬で変わります。受診の前に違いを知っておくための整理として読んでください。

目的別の早見

PDE5阻害薬の仕組み

勃起は、性的刺激をきっかけに起こります。Burnett のレビューは、その流れを次のように説明しています(Burnett AL, J Clin Hypertens, 2006)[4]。

  • 性的刺激を受けると、陰茎海綿体の神経と血管の内側の細胞から一酸化窒素(NO)が出る
  • NOの働きで、海綿体の平滑筋の中にcGMP(環状グアノシン一リン酸)が増える
  • cGMPが平滑筋をゆるめ、海綿体に流れ込む血液が増える
  • PDE5(5型ホスホジエステラーゼ)という酵素が、cGMPを分解する

PDE5阻害薬は、このPDE5の働きを抑えてcGMPの分解を遅らせます。バイアグラの添付文書は作用機序を、陰茎海綿体のPDE5を選択的に阻害してcGMPの分解を抑え、海綿体の平滑筋をゆるめて血流量を増やす、と説明しています[1]。

薬を飲むだけで勃起が起こるわけではありません。3剤の添付文書はいずれも「本剤は催淫剤又は性欲増進剤ではない」と書いています[1][2][3]。NOが出るきっかけになる性的刺激があって、はじめて薬が働きます。

国内で承認されている3つの成分

国内でED(勃起不全)の治療薬として承認されているPDE5阻害薬は、シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルの3成分です(2026年10月3日に、KEGG MEDICUSで薬効分類が「勃起不全治療剤」の製品を確認)。国内の発売年は、製造販売4社が2016年に公表した資料によります[5]。

シルデナフィル(先発品:バイアグラ)

国内では1999年に錠剤が発売されました[5]。バイアグラには25mgと50mgの錠剤と、水なしでも飲めるODフィルムがあります[1]。後発品(シルデナフィル錠VI)も複数の会社から出ています。

タダラフィル(先発品:シアリス)

国内では2007年に発売されました[5]。シアリス錠には5mg・10mg・20mgがあり[2]、後発品(タダラフィル錠CI)も出ています。同じタダラフィルでも、前立腺肥大症に伴う排尿障害の薬(ザルティア)は効能が違う別の製品です。用法・用量の節で説明します。

バルデナフィル(先発品:レビトラ)

国内では2004年に発売されました[5]。先発品のレビトラ錠は、バイエル薬品が2021年10月付の案内で、生産と入荷のめどが立たないため在庫限りで販売を中止すると知らせています。出荷終了の予定は、20mgが2022年1月、5mgと10mgが2022年3月でした[6]。

成分としては後発品(バルデナフィル錠)が残っていて、2026年10月3日に医薬品情報のデータベース(KEGG MEDICUS)で3社の製品の掲載を確かめました。この記事のバルデナフィルの用量・禁忌・副作用は、後発品の添付文書によります[3]。

3つの薬の比較

国内の添付文書に書かれている項目を並べます[1][2][3]。血中濃度と半減期は、日本人の健康な成人が1回飲んだ試験の値です。

項目 シルデナフィル タダラフィル バルデナフィル
国内の製品 バイアグラ、後発品 シアリス、後発品 後発品(レビトラは販売中止)
通常の1回量 25〜50mg 10mg(条件つきで20mgまで) 10mg(条件つきで20mgまで)
飲むタイミング 性行為の約1時間前 性行為の約1時間前 性行為の約1時間前
血中濃度が最も高くなるまで 0.8〜0.9時間 3時間(中央値。0.5〜4時間) 0.75時間(中央値)
血中濃度の半減期 約3.2〜3.3時間 約14〜15時間 約3.2〜5.3時間
食事の影響 食事と共に飲むと、効果が出るまでの時間が遅れることがある 食事の有無にかかわらず飲める 標準的な食事の直後では影響が認められなかった
頻度1%以上の副作用 ほてり・潮紅(5.78%)、頭痛(3.87%) 頭痛、潮紅、消化不良、背部痛、筋痛、四肢痛、鼻閉 頭痛(11.7%)、ほてり(10.6%)、心悸亢進、めまい、鼻閉、消化不良、嘔気
薬によって違う禁忌の例 アミオダロン(経口剤)を使っている人 コントロール不良の不整脈の人、心筋梗塞から3か月以内の人(ほかの2剤は6か月以内) 先天性のQT延長の人、一部の抗不整脈薬・抗真菌薬・抗HIV薬を使っている人、血液透析が必要な人

副作用の頻度は、薬ごとに集計のもとになった試験や調査が違います。数字の大小は、そのまま薬どうしの差としては読めません。禁忌の全体は禁忌と併用禁忌の節にまとめています。

作用が出るまでの時間

エビデンス:中薬ごとにプラセボと比べたRCTが1件ずつで、3剤を同じ条件で比べた試験はない。シルデナフィルの試験は国内の承認を超える100mg参照: Padma-Nathan H, et al., Urology, 2003、Rosen RC, et al., J Sex Med, 2004、Montorsi F, et al., J Sex Med, 2004

添付文書の用法は、3剤とも「性行為の約1時間前」です[1][2][3]。どのくらい早く作用が出るかを、ストップウォッチで測った海外の試験があります。

  • シルデナフィル:それまで100mgで効果があったEDの男性228名を、シルデナフィル100mgとプラセボに分けた4週間の試験。食事から2時間以上あけて飲み、性交の成功につながった勃起までの時間の中央値は36分(プラセボは141分)。20分以内に性交の成功につながる勃起があった人は51%(プラセボ30%)でした(Padma-Nathan H, et al., Urology, 2003)[7]。100mgは国内の承認用量(25〜50mg)を超えていて、もともと効果があった人だけが対象です。
  • タダラフィル:EDが3か月以上続く21歳以上の男性を対象にした試験で、20mgでは服用後16分から30分の間、プラセボより有意に多く性交の成功につながる勃起がありました。10mgは30分の時点で有意に近い差でした。30分以内に1回以上成功した人は、20mgで52%、プラセボで35.1%です(Rosen RC, et al., J Sex Med, 2004)[8]。抄録には参加人数の記載がありません。要指導医薬品のシアリス(タダラフィル10mg)の添付文書は、効果は服用後約30分からあらわれるとしています[10]。
  • バルデナフィル:EDの男性732名を10mg・20mg・プラセボに分けた4週間の試験。最初の4回の服用のうち、25分以内に性交の完了につながる勃起が1回以上あった人は、10mgで50%、20mgで53%、プラセボで26%でした。プラセボとの差は、10mgでは服用後10分以降、20mgでは11分以降で有意でした(Montorsi F, et al., J Sex Med, 2004)[9]。

プラセボでも一定の割合で成功していることと、試験ごとに対象・用量・測り方が違うことから、この3つの数字を並べて「どれが早い」とは言えません。まずは添付文書どおり、約1時間前を目安にします。

作用が続く時間

エビデンス:中薬ごとにプラセボと比べたRCTが1件ずつ。シルデナフィルの試験は16名で、国内の承認を超える100mg参照: Porst H, et al., Urology, 2003、Gingell C, et al., J Sex Med, 2004、Porst H, et al., Eur Urol, 2006

3剤でいちばん違うのは、体から薬が減っていく速さです。日本人の健康な成人での半減期は、シルデナフィルが約3.2〜3.3時間、バルデナフィルが約3.2〜5.3時間、タダラフィルが約14〜15時間です[1][2][3]。

  • タダラフィル:シアリスの添付文書は「投与後36時間まで有効性が認められている」としています[2]。もとになった試験の1つでは、EDの男性348名(平均57歳)を20mgとプラセボに分け、服用の約24時間後か36時間後に性交を試みてもらいました。成功した割合は、36時間後が59.2%(プラセボ28.3%)、24時間後が52.9%(プラセボ29.1%)でした(Porst H, et al., Urology, 2003)[11]。36時間ずっと勃起が続くという意味ではなく、その間に性的刺激があれば反応が得られやすい、という結果です。
  • シルデナフィル:添付文書に、作用が続く時間の記載はありません。器質的な原因のないEDの男性16名に100mgかプラセボを飲んでもらい、1・8・12時間後に視覚刺激への反応を測った試験では、1時間後に反応した人(69%)のうち、8時間後は82%、12時間後は45%で反応がありました(Gingell C, et al., J Sex Med, 2004)[12]。16名と小さく、国内の承認を超える用量の結果です。
  • バルデナフィル:添付文書に、作用が続く時間の記載はありません。EDの男性383名を、バルデナフィル(5〜20mgで調節)とプラセボに分け、性行為の8時間前に飲んでもらった10週間の試験では、性交を最後まで続けられた割合が69%(プラセボ34%)でした(Porst H, et al., Eur Urol, 2006)[13]。

作用が長く続く薬は、副作用や飲み合わせに気をつける時間も長くなります。シアリスの添付文書は、投与後36時間までは安全性に十分配慮するよう求めています[2]。

食事の影響

エビデンス:中健康な成人で血中濃度を測った試験。性交の成功を比べた試験ではない参照: Nichols DJ, et al., Br J Clin Pharmacol, 2002、Forgue ST, et al., Br J Clin Pharmacol, 2006、Rajagopalan P, et al., J Clin Pharmacol, 2003

  • シルデナフィル:添付文書は、食事と共に飲むと空腹時より効果が出るまでの時間が遅れることがある、としています。日本人の健康な成人16名が50mgを飲んだ試験では、食後は血中濃度がピークになるまでの時間が1.2時間から3.0時間に延び、ピークの濃度は42%、吸収された量の指標(AUC)は14%下がりました[1]。海外の健康な男性34名が100mgを飲んだ試験でも、食後はピークまでの時間が約1時間遅れ、ピークの濃度が29%、AUCが11%下がっています(Nichols DJ, et al., Br J Clin Pharmacol, 2002)[14]。
  • タダラフィル:添付文書は「食事の有無にかかわらず投与できる」としています。健康な成人18例が20mgを高脂肪食のあとに飲んだ試験で、ピークの濃度にもAUCにも食事の影響は認められませんでした[2]。健康な人での薬物動態をまとめた報告も、食事の影響は無視できる程度としています(Forgue ST, et al., Br J Clin Pharmacol, 2006)[15]。
  • バルデナフィル:添付文書では、健康な成人男性24例が20mgを標準的な食事(脂肪がエネルギーの約30%)の直後に飲んでも、ピークの濃度とAUCに影響は認められませんでした[3]。健康な男性25名の試験では、高脂肪の朝食のあとはピークの濃度が17.14から14.0μg/Lに下がり、ピークまでの時間の中央値が1時間から2時間に延びましたが、AUCは変わりませんでした(Rajagopalan P, et al., J Clin Pharmacol, 2003)[16]。

これらは血中濃度の試験で、食後に飲むと性交の成功率がどれだけ変わるかを直接比べたものではありません。食事のあとに使うことが多い場合は、そのことを診察で伝えてください。

有効性の比較

エビデンス:強RCTのシステマティックレビュー・メタ解析と、82試験のネットワークメタ解析。多くは12週以下の試験で、3剤を直接比べたRCTは4件参照: Tsertsvadze A, et al., Ann Intern Med, 2009、Chen L, et al., Eur Urol, 2015

PDE5阻害薬のRCTをまとめたシステマティックレビュー・メタ解析では、性交が成功した割合はPDE5阻害薬で69.0%、プラセボで35.0%でした。「勃起が改善した」と答えた人の割合は、PDE5阻害薬で67〜89%、プラセボで27〜35%です。シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルを直接比べた4件のRCTでは、EDの改善にも有害事象にも差はありませんでした。著者らは限界として、多くの試験が12週以下で、直接比べた試験を含めて方法や報告の質が低いものが多いことを挙げています(Tsertsvadze A, et al., Ann Intern Med, 2009)[17]。

82件の試験(47,626名)をまとめたネットワークメタ解析は、試験どうしを間接的につないで、飲み始めの用量を比べています。シルデナフィル50mgは有効性が最も高い一方で有害事象の割合も最も高く、タダラフィル10mgは有効性が中間で有害事象の割合が最も低く、バルデナフィル10mgは有害事象がシルデナフィル50mgと同じ程度で有効性は低い、という結果でした(Chen L, et al., Eur Urol, 2015)[18]。直接比べた4件のRCTの結果とはそろっておらず、この2つの解析から、3剤のどれが優れているかは決められません。

薬ごとに、プラセボと比べた代表的な試験は次のとおりです。

  • シルデナフィル:24週間の用量反応試験(532名、25・50・100mgとプラセボ)と、12週間の用量調節試験(329名、100mgまで増量可)。用量調節試験の最後の4週間に性交が成功した割合は、シルデナフィルで69%、プラセボで22%でした。頭痛・潮紅・消化不良が6〜18%にみられています(Goldstein I, et al., N Engl J Med, 1998)[19]。100mgは国内の承認用量を超えます。
  • タダラフィル:12週間のRCT 5件をまとめた解析(1,112名、平均59歳)。20mgでは性交を最後まで続けられた割合が75%で、「勃起が改善した」と答えた人は81%(プラセボ35%)でした。多かった有害事象は頭痛と消化不良です(Brock GB, et al., J Urol, 2002)[20]。
  • バルデナフィル:601名を5・10・20mgとプラセボに分けた12週間の試験。性交が成功した割合は3つの用量で71〜75%、20mgで「勃起が改善した」と答えた人は80%(プラセボ30%)でした。頭痛が7〜15%、潮紅が10〜11%にみられています(Porst H, et al., Int J Impot Res, 2001)[21]。

選び方の目安

直接比べた試験で有効性に差が示されていないため、選ぶ基準は、使う場面と安全面になります。薬を決めるのは、禁忌と飲み合わせを確かめた医師です。診察の前に、次の点を自分で整理しておくと希望を伝えやすくなります。

  • 時間に余裕を持たせたい:タダラフィルは、添付文書に投与後36時間まで有効性が認められているとあります[2]。その間は副作用や飲み合わせにも気をつける必要があります。
  • 食事のあとに使うことが多い:タダラフィルは食事の有無にかかわらず飲めます[2]。バルデナフィルは標準的な食事の直後では影響が認められていません[3]。シルデナフィルは、食事と共に飲むと効果が出るまでの時間が遅れることがあります[1]。
  • 薬が体に残る時間を短くしたい:半減期は、シルデナフィルとバルデナフィルが数時間、タダラフィルが約14〜15時間です[1][2][3]。
  • 65歳以上、または肝臓・腎臓の病気がある:開始量と上限が薬ごとに違います。用法・用量の節を見てください。
  • 不整脈の薬、抗真菌薬、抗HIV薬などを使っている:併用禁忌が薬ごとに違い、バルデナフィルは併用禁忌の薬が多くなっています。禁忌と併用禁忌の節を見てください。
  • 前立腺肥大症の薬(α遮断薬)や血圧の薬を使っている:α遮断薬は3剤とも併用注意で、血圧が下がりすぎることがあります。血圧を下げる薬(降圧剤)は、シルデナフィルとタダラフィルの添付文書で併用注意になっています[1][2][3]。薬の名前を医師に伝えてください。

国内で承認されている用法・用量

3剤とも、1日1回、性行為の約1時間前に飲み、次に飲むまで24時間以上あけます[1][2][3]。量と、少ない量から始める条件は薬ごとに違います。

シルデナフィル(バイアグラ)

  • 通常の量:1回25mg〜50mg。国内で承認されている量は50mgまで
  • 25mgから始める人:65歳以上の人、肝障害のある人、重い腎障害(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)のある人
  • 25mgから始めるなど慎重に使う場合:CYP3A4という酵素の働きを抑える薬(エリスロマイシン、シメチジンなど)やα遮断薬を使っているとき

海外の試験には100mgを使ったものが多くありますが、バイアグラの添付文書は、日本での承認用量を1日1回25mg〜50mgとしています[1]。50mgで効果が十分でないときに、自分の判断で2錠飲むことはしないでください。

タダラフィル(シアリス)

  • 通常の量:1回10mg
  • 20mgに増やせる場合:10mgで十分な効果が得られず、忍容性がよいと判断された、器質性または混合型のEDの人
  • 肝障害(軽度・中等度)のある人:10mgまで
  • 腎障害(中等度・重度)のある人:5mgから始める。中等度は10mgまでで、10mgを飲むときは48時間以上あける。重度は5mgまで
  • CYP3A4を強く抑える薬を使っている人:5mgから始め、10mgを超えない

シアリス錠の添付文書に、EDに対して毎日飲み続ける用法はありません[2]。5mg錠は、上の条件にあたる人が少ない量から始めるための規格です。タダラフィル5mgを1日1回毎日飲む用法が国内で承認されているのは、ザルティア錠という別の製品で、効能は「前立腺肥大症に伴う排尿障害」です[22]。

海外には、EDの男性268名をタダラフィル5mg・10mg・プラセボに分けて毎日1回、12週間飲んでもらった試験があり、「勃起が改善した」と答えた人は5mgで84.5%、10mgで84.6%、プラセボで28.3%でした(Porst H, et al., Eur Urol, 2006)[23]。これは海外の試験の結果で、国内のED治療薬としての承認とは別の話です。薬局で買える要指導医薬品のシアリスの添付文書も、毎日続けて飲むことは推奨できないとしています[10]。

バルデナフィル

  • 通常の量:1回10mg
  • 20mgに増やせる場合:10mgで十分な効果が得られず、忍容性がよいと判断された、器質性または混合型のEDの人
  • 65歳以上の人、中等度の肝障害のある人:5mgから始め、10mgまで
  • マクロライド系の抗生物質(エリスロマイシンなど)を使っている人:5mgを超えない
  • α遮断薬を使っている人:α遮断薬の治療で状態が安定していることを確かめたうえで、5mgから始める

飲酒については、シアリスの添付文書に、アルコールを多く飲んだ人(体重1kgあたり0.7g)でめまいや起立性低血圧が報告されたとあります[2]。要指導医薬品のシアリスの添付文書は、過度の飲酒のときは服用を控えるよう求めています[10]。

主な副作用

添付文書の「その他の副作用」の欄で、頻度が1%以上とされているものは次のとおりです。

  • シルデナフィル:血管拡張(ほてり、潮紅)5.78%、頭痛3.87%。0.1〜1%未満の欄に、彩視症(ものに色がついて見える)、視覚障害、消化不良、鼻炎、めまい、動悸などがあります[1]。
  • タダラフィル:頭痛、潮紅、消化不良、背部痛、筋痛、四肢痛、鼻閉。重大な副作用として、過敏症(発疹、蕁麻疹、顔面浮腫など。頻度不明)が挙げられています[2]。
  • バルデナフィル:頭痛11.7%、ほてり10.6%、心悸亢進、めまい、鼻閉、消化不良、嘔気。0.1〜1%未満の欄に、彩視症、視覚異常、背部痛などがあります。臨床薬理試験で、心電図のQTc延長がみられています[3]。

頻度の数字は、薬ごとに集計のもとになった試験や調査が違うため、薬どうしでそのまま比べられません。試験をまとめた解析でも、直接比べた4件のRCTでは有害事象に差がなく[17]、飲み始めの用量を間接的に比べたネットワークメタ解析ではタダラフィル10mgの有害事象の割合が最も低い[18]、と結果が分かれています。

すぐに受診する症状と、服用後の注意

3剤の添付文書の「重要な基本的注意」と「その他の注意」に共通して書かれている内容です[1][2][3]。

  • 勃起が4時間以上続く:直ちに医師の診察を受ける。処置が遅れると、陰茎の組織が傷ついたり、勃起の機能が永続的に損なわれたりすることがある
  • 急に視力が落ちた、見えなくなった:服用をやめて、速やかに眼科を受診する。因果関係は明らかではないものの、海外でPDE5阻害薬を使っている人に、まれに非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)が報告されている。多くの人は、50歳以上・糖尿病・高血圧・喫煙などの危険因子を持っていた
  • めまい、見え方の異常:臨床試験で認められているため、車の運転や機械の操作、高い所での作業には注意する

急に聞こえにくくなる症状(突発性難聴など)も、因果関係は明らかではないものの、海外でまれに報告されています[2][3]。気になる症状が出たときは、次の服用をやめて医師に相談してください。

禁忌と併用禁忌

添付文書の「禁忌」は、その薬を使ってはいけない人です。「併用禁忌」は、いっしょに使ってはいけない薬です[1][2][3]。ここでは要点をまとめます。自分があてはまるかどうかは、診察で医師が確かめます。

3剤に共通する禁忌

  • その薬の成分で過敏症を起こしたことがある人
  • 硝酸薬・一酸化窒素(NO)供与薬を使っている人(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど)。いっしょに使うと血圧が下がりすぎることがあり、添付文書の冒頭の「警告」にも書かれています
  • リオシグアト(肺高血圧症の薬)を使っている人
  • 心臓や血管の病気などで、性行為そのものが適当でないと考えられる人
  • 重い肝機能障害のある人
  • 低血圧の人(血圧が90/50mmHg未満。バルデナフィルは安静時の上の血圧が90mmHg未満)、治療で管理できていない高血圧の人(安静時の上の血圧が170mmHg、または下の血圧が100mmHgを超える)
  • 脳梗塞・脳出血を6か月以内に起こした人
  • 網膜色素変性症の人

薬によって違う禁忌

  • シルデナフィル:心筋梗塞を6か月以内に起こした人。アミオダロン塩酸塩の飲み薬(不整脈の薬)を使っている人[1]
  • タダラフィル:心筋梗塞を3か月以内に起こした人。不安定狭心症の人、性交中に狭心症を起こしたことがある人。コントロール不良の不整脈のある人[2]
  • バルデナフィル:心筋梗塞を6か月以内に起こした人。不安定狭心症の人。先天性のQT延長のある人。クラスIA(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミドなど)とクラスIII(アミオダロン、ソタロール)の抗不整脈薬を使っている人。血液透析が必要な腎障害のある人。CYP3A4を抑える薬を使っている人(抗HIV薬のリトナビル・アタザナビル・ダルナビルを含む薬・コビシスタットを含む薬、抗真菌薬のイトラコナゾール、新型コロナウイルス感染症の飲み薬のニルマトレルビル・リトナビルとエンシトレルビル、抗がん薬のセリチニブなど)[3]

併用注意と、医師に伝えておくこと

  • α遮断薬(前立腺肥大症や高血圧の薬):3剤とも併用注意。めまいや失神を伴う血圧の低下が報告されている
  • CYP3A4を抑える薬・強める薬:薬の血中濃度が上がったり下がったりする。シルデナフィルではエリスロマイシン・シメチジンなど、タダラフィルではイトラコナゾール・クラリスロマイシン・グレープフルーツジュースなど、バルデナフィルではマクロライド系の抗生物質などが挙げられている
  • 陰茎の形に異常がある人(屈曲、線維化、ペイロニー病など)、持続勃起症を起こしやすい病気のある人(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病など)、出血しやすい病気や消化性潰瘍のある人
  • ほかのED治療薬を使っている人:いっしょに使ったときの安全性は確かめられていない

3剤の添付文書は、性行為は心臓への負担を伴うため、治療を始める前に心臓・血管の状態に注意するよう求めています。バイアグラとシアリスの「警告」には、死亡例を含む心筋梗塞などの重い心血管系の有害事象が報告されているとあります[1][2]。飲んでいる薬は、市販薬やサプリメントも含めて、お薬手帳などですべて伝えてください。

効果が十分でないとき

エビデンス:中効果がなかった人を調べた研究2件と、別の薬に替えたRCT 1件。対照群のない研究と、国内の承認を超える100mgへの増量を含む参照: Hatzichristou D, et al., Eur Urol, 2005、McCullough AR, et al., Urology, 2002、Carson CC, et al., BJU Int, 2004

飲み方を確かめる

シルデナフィルで効果がなかったと受診した100名(平均59歳)を調べたギリシャの研究では、56名に適切でない使い方が見つかりました。食事の直後に飲んでいた人が32名、性行為の直前に飲んでいた人が22名、性的刺激が必要だと知らなかった人が12名です。飲み方の説明と用量の調整のあと、31名で効果がみられました(Hatzichristou D, et al., Eur Urol, 2005)[24]。対照群のない研究で、効果がみられた31名のうち21名は、国内の承認を超える100mgを使っています。

シルデナフィルの使い方についての解析をまとめた報告では、1,276名のデータで、性交が成功する確率は試した回数とともに上がり、8回ほどで頭打ちになりました。効果がなかった137名に、飲み方の再指導と相談(最大用量への増量を含む)を行うと、55%が成功するようになったとも報告しています(McCullough AR, et al., Urology, 2002)[25]。要指導医薬品のシアリスの添付文書は、4〜8回飲んでも効果がみられない場合は医師か薬剤師に相談するよう求めています[10]。

1〜2回で判断する前に、次の点を確かめてください。

  • 性行為の約1時間前に飲んでいるか
  • シルデナフィルを、食事と共に、または食事の直後に飲んでいないか
  • 性的刺激があるか(薬を飲むだけでは勃起は起こらない)
  • 処方された量を守っているか

量の調整と、別の薬への切り替え

量を増やせる範囲は、国内で承認されている用法・用量のとおりです。シルデナフィルは50mgまで、タダラフィルとバルデナフィルは条件つきで20mgまでで、増やすかどうかは医師が決めます。自分の判断で量を増やしたり、24時間以内にもう1回飲んだり、別のED治療薬をいっしょに飲んだりしないでください。

別の薬に替えた試験もあります。シルデナフィルで効果がなかったと申告した中等度から重度のEDの男性463名を、バルデナフィル(10mgから始めて5〜20mgで調節)とプラセボに分けた12週間のRCTでは、「勃起が改善した」と答えた人がバルデナフィルで61.8%、プラセボで14.7%でした。バルデナフィルの群では、性交を最後まで続けられた割合が10.5%から46.1%に上がっています(Carson CC, et al., BJU Int, 2004)[26]。「効果がなかった」は本人の申告によるもので、それまでの飲み方が適切だったかは分かりません。

背景にある病気と生活習慣

要指導医薬品のシアリスの添付文書は、EDが心臓病・高血圧・糖尿病などの病気に関連している場合があるとして、早めの相談を勧めています[10]。薬で十分な効果が得られないときは、泌尿器科で原因と次の治療を相談してください。

生活習慣については、肥満(BMI 30以上)でEDのある35〜55歳の男性110名を、減量と運動の詳しい指導を受ける群と、一般的な情報だけを受ける群に分けた2年間のRCTがあります。勃起機能のスコア(IIEF)は、指導を受けた群で13.9から17に上がり、もう一方の群は13.5から13.6で変わりませんでした(Esposito K, et al., JAMA, 2004)[27]。糖尿病・高血圧・脂質異常症のない肥満の男性が対象で、ED治療薬との併用を調べた試験ではありません。生活習慣の研究は EDと生活習慣の記事 で整理しています。

薬の入手方法

医療機関で処方を受ける

バイアグラ・シアリス錠・バルデナフィル錠は医療用の医薬品で、医師の診察を受けて処方されます[1][2][3]。バイアグラの添付文書によると、保険が使えるのは、勃起不全による男性不妊の治療で、定められた要件を満たす場合に限られます[1]。それ以外は自費の診療になり、費用は医療機関ごとに違います。

オンライン診療でも処方を受けられます。厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A(令和8年4月改訂)は、禁忌の確認に十分な情報がないままオンライン診療だけで処方することは不適切としたうえで、医師が、対面での検査が不要で問診だけで医学的な評価ができると判断した場合は、オンラインの問診だけで禁忌を確かめることを禁じる趣旨ではない、としています(Q18)[28]。持病と飲んでいる薬は正確に伝えてください。問診だけでは判断できないと医師が考えた場合は、対面の受診を案内されます。

費用と受診の流れは、EDのオンライン診療を行うクリニックの比較にまとめています。

後発品(ジェネリック)

3成分とも、国内で承認された後発品があります(2026年10月3日にKEGG MEDICUSで掲載を確認)。たとえばバルデナフィル錠「サワイ」の添付文書には、健康な成人男性でレビトラ錠20mgと血中濃度を比べ、生物学的同等性が確認されたと書かれています[3]。シルデナフィルとタダラフィルには、口の中で溶けるOD錠の後発品もあります。

国内で承認された後発品は、先発品と同じく医療機関で処方されます。海外製の「ジェネリック」として通販で売られているものは、国内では未承認の別の製品です。

薬局で買える要指導医薬品

エスエス製薬の発表では、タダラフィル10mgの「シアリス」(要指導医薬品)を2026年7月31日に一部の店舗で先行発売し、8月31日に全国の対象店舗へ広げる予定としています。発表によると、薬剤師のいる店舗で薬剤師から対面で服薬指導を受ける必要があり、買えるのは使う本人だけで、1度に1箱までです。対象は18才以上の成人男性、希望小売価格は5,808円(税込)とされています(エスエス製薬 ニュースルーム、2026年10月3日確認)[29]。添付文書の「服用しないでください」の欄には、硝酸薬を使っている人のほか、医師から肝臓や腎臓の異常を指摘された人なども含まれています[10]。持病や飲んでいる薬がある人は、買う前に医師か薬剤師に相談してください。買うときの流れと、処方のシアリス錠との違いは、薬局のシアリスと処方薬の違いで詳しく比べています。

個人輸入・海外製の薬の注意

国内でED治療薬を製造販売していた4社(ファイザー、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリー)が2016年に公表した調査では、インターネットで入手したED治療薬70検体のうち28検体(40.0%)が偽造品でした。日本国内から発注した分は45検体中16検体(35.6%)、タイで発注した分は25検体中12検体(48.0%)です。偽造品には、有効成分が承認された量より多いもの、足りないもの、まったく含まれないもの、別の成分や不純物を含むものがありました[5]。

金沢大学のグループが、日本でインターネットから購入したタダラフィル(シアリス)45検体を調べた研究では、真正品が9検体、偽造品が23検体、未登録・無許可の製品が9検体、判定できないものが4検体でした。偽造品にはシルデナフィルが入っているものやタダラフィルの量が足りないものがあり、未登録・無許可の製品にはタダラフィルもシルデナフィルも入っていませんでした(Sanada T, et al., Forensic Sci Int, 2020)[30]。

厚生労働省は、個人輸入された医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象にならないと案内しています[31]。通販や個人輸入代行で売られている薬は使わないでください。

医師に相談する目安

  • 狭心症の薬(硝酸薬)など、禁忌や併用禁忌にあたる薬を使っている。自分の判断でED治療薬を使わず、主治医に相談する
  • 20分ほどの早歩きや、階段を1階分かけ上がる程度の運動で、ひどく息苦しくなる、胸が痛む。服用の前に医師に相談する[10]
  • 勃起しにくい状態が続いている。心臓病・高血圧・糖尿病などが関わっていることがある[10]
  • 服用のあと、勃起が4時間以上続く。直ちに受診する
  • 服用のあと、急に視力が落ちた、見えなくなった。服用をやめて眼科を受診する
  • 4〜8回使っても効果がみられない[10]

よくある質問(FAQ)

Q1. 初めて使うなら、どの薬を選べばよいですか?

3剤を直接比べた試験では、EDの改善にも有害事象にも差が示されていません[17]。作用が続く時間、食事の影響、持病や飲んでいる薬との相性で選ぶことになり、医師が禁忌を確かめたうえで決めます。量は国内の添付文書の通常量(シルデナフィル25〜50mg、タダラフィル10mg、バルデナフィル10mg)が基本です。

Q2. タダラフィルを毎日飲む使い方はできますか?

シアリス錠の添付文書に、EDに対して毎日飲み続ける用法はありません[2]。タダラフィル5mgを毎日飲む用法が承認されているのはザルティア錠で、効能は前立腺肥大症に伴う排尿障害です[22]。要指導医薬品のシアリスの添付文書も、毎日続けて飲むことは推奨できず、連日飲む場合は医師に相談するよう求めています[10]。

Q3. 副作用が出たら、別の薬に替えられますか?

副作用の種類と頻度は薬ごとに違うので、症状を医師に伝えて相談してください。自分の判断で別のED治療薬を足すことはしないでください。添付文書は、ほかのED治療薬といっしょに使ったときの安全性は確かめられていないとしています[1]。

Q4. 心臓への影響が心配です。使っても大丈夫ですか?

添付文書は、性行為そのものが心臓への負担を伴うとして、治療を始める前に心臓・血管の状態を確かめるよう求めています。海外の市販後の報告には、服用後の心筋梗塞などの重い心血管系の有害事象があり、その多くは心血管系の危険因子をもともと持っていた人でした。薬・性行為・もとの病気のどれによるものかは確定できない、とされています[1][2]。心臓の病気がある人、胸の症状がある人は、先に主治医に相談してください。

Q5. サプリメントや精力剤は、ED治療薬の代わりになりますか?

サプリメントは食品で、EDの治療を目的に承認された医薬品ではありません。PDE5阻害薬は、臨床試験を経て「勃起不全」の効能で承認された医薬品で、役割が違います。厚生労働省は、健康食品として売られている海外の製品に医薬品の成分が入っていて、健康被害を起こすことがあると注意を呼びかけています[31]。

Q6. 個人輸入の薬は、なぜ勧められないのですか?

国内の調査で、インターネットで入手したED治療薬の40.0%(70検体中28検体)が偽造品でした[5]。成分の量が多すぎるもの、足りないもの、別の成分が入っているものが見つかっています。個人輸入した薬で健康被害が起きても、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません[31]。

まとめ

シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルは、同じ仕組みで働くED治療薬です。直接比べた試験では、有効性と有害事象に差は示されていません。違いは、作用が続く時間(タダラフィルは投与後36時間まで)、食事の影響(シルデナフィルは食事と共に飲むと遅れることがある)、国内で使える量、禁忌と併用禁忌にあります。硝酸薬やリオシグアトを使っている人は、3剤とも使えません。持病と飲んでいる薬をすべて伝えたうえで、医師と相談して決めてください。海外製・個人輸入の薬は使わないでください。

受診先の費用と流れは、EDのオンライン診療を行うクリニックの比較にまとめています。

改訂履歴

2026年10月3日:添付文書・公的資料・論文の抄録と照合して、全面的に書き直しました。これまでの版の参考文献11件にはPubMedの番号がなく、照合すると3件は該当する論文が見つからず、3件は雑誌名や巻号が誤っていました。見つからなかった文献を出典にしていた数字(有効率 約70〜85%、別の薬で約50%が満足、副作用の頻度の一覧)と、出典を確かめられなかった数字(高脂肪食で吸収が30〜40%低下、1錠あたりの価格、WHOの調査で約50%が偽造品など)を削除し、添付文書と、題名・著者・抄録を確かめた論文の数字に置き換えました。

内容の誤りも直しました。「日本では低用量(5mg)の毎日服用も承認」は誤りで、毎日5mgを飲む用法が承認されているのは前立腺肥大症に伴う排尿障害の薬(ザルティア)です。シルデナフィルを100mgに増やす記述は、国内の承認(50mgまで)を超えるため削除しました。レビトラの販売中止の時期は、バイエル薬品の2021年10月付の案内に合わせました。禁忌の一覧は添付文書の項目名(禁忌・併用禁忌・併用注意)にそろえ、薬ごとの違い(心筋梗塞後の期間など)を書き分けました。視神経の病気(NAION)の既往は、添付文書では禁忌ではなく注意の欄に書かれているため、禁忌の一覧から外しました。薬局で買える要指導医薬品のシアリスについて追記しました。

参考文献

  1. バイアグラ錠25mg・50mg/バイアグラODフィルム25mg・50mg 添付文書(ヴィアトリス製薬、2024年7月改訂 第8版). KEGG MEDICUS(JAPIC)(2026年10月3日確認)
  2. シアリス錠5mg・10mg・20mg 添付文書(日本新薬、2024年11月改訂 第4版). KEGG MEDICUS(JAPIC)(2026年10月3日確認)
  3. バルデナフィル錠10mg・20mg「サワイ」 添付文書(沢井製薬、2026年3月改訂 第3版). KEGG MEDICUS(JAPIC)(2026年10月3日確認)
  4. Burnett AL. The role of nitric oxide in erectile dysfunction: implications for medical therapy. J Clin Hypertens (Greenwich). 2006;8(12 Suppl 4):53-62(レビュー). PubMed: 17170606
  5. ファイザー・バイエル薬品・日本新薬・日本イーライリリー「偽造ED治療薬4社合同調査結果 インターネットで入手したED治療薬の約4割が偽造品」2016年11月24日. 日本新薬のサイトに掲載のPDF(2026年10月3日確認)
  6. バイエル薬品「販売中止のお知らせ 勃起不全治療剤 レビトラ錠5mg、10mg、20mg」2021年10月. 日本生殖医学会のサイトに掲載のPDF(2026年10月3日確認)
  7. Padma-Nathan H, Stecher VJ, Sweeney M, Orazem J, Tseng LJ, Deriesthal H. Minimal time to successful intercourse after sildenafil citrate: results of a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Urology. 2003;62(3):400-403(228名のRCT). PubMed: 12946731
  8. Rosen RC, Padma-Nathan H, Shabsigh R, Saikali K, Watkins V, Pullman W. Determining the earliest time within 30 minutes to erectogenic effect after tadalafil 10 and 20 mg: a multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled, at-home study. J Sex Med. 2004;1(2):193-200(RCT). PubMed: 16422974
  9. Montorsi F, Padma-Nathan H, Buvat J, et al. Earliest time to onset of action leading to successful intercourse with vardenafil determined in an at-home setting: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. J Sex Med. 2004;1(2):168-178(732名のRCT). PubMed: 16422971
  10. シアリス(要指導医薬品、タダラフィル10mg)添付文書(エスエス製薬。掲載ページに改訂年月の表示なし). KEGG MEDICUS(JAPIC)(2026年10月3日確認)
  11. Porst H, Padma-Nathan H, Giuliano F, Anglin G, Varanese L, Rosen R. Efficacy of tadalafil for the treatment of erectile dysfunction at 24 and 36 hours after dosing: a randomized controlled trial. Urology. 2003;62(1):121-125(348名のRCT). PubMed: 12837435
  12. Gingell C, Sultana SR, Wulff MB, Gepi-Attee S. Duration of action of sildenafil citrate in men with erectile dysfunction. J Sex Med. 2004;1(2):179-184(16名のクロスオーバーRCT). PubMed: 16422972
  13. Porst H, Sharlip ID, Hatzichristou D, et al. Extended duration of efficacy of vardenafil when taken 8 hours before intercourse: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. Eur Urol. 2006;50(5):1086-1094(383名のRCT). PubMed: 16820261
  14. Nichols DJ, Muirhead GJ, Harness JA. Pharmacokinetics of sildenafil after single oral doses in healthy male subjects: absolute bioavailability, food effects and dose proportionality. Br J Clin Pharmacol. 2002;53 Suppl 1:5S-12S(健康な男性での薬物動態試験). PubMed: 11879254
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  22. ザルティア錠2.5mg・5mg 添付文書(日本新薬、2024年11月改訂 第4版。効能又は効果:前立腺肥大症に伴う排尿障害). KEGG MEDICUS(JAPIC)(2026年10月3日確認)
  23. Porst H, Giuliano F, Glina S, et al. Evaluation of the efficacy and safety of once-a-day dosing of tadalafil 5mg and 10mg in the treatment of erectile dysfunction: results of a multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Eur Urol. 2006;50(2):351-359(268名のRCT). PubMed: 16766116
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  26. Carson CC, Hatzichristou DG, Carrier S, et al. Erectile response with vardenafil in sildenafil nonresponders: a multicentre, double-blind, 12-week, flexible-dose, placebo-controlled erectile dysfunction clinical trial. BJU Int. 2004;94(9):1301-1309(463名のRCT). PubMed: 15610110
  27. Esposito K, Giugliano F, Di Palo C, et al. Effect of lifestyle changes on erectile dysfunction in obese men: a randomized controlled trial. JAMA. 2004;291(24):2978-2984(肥満の男性110名のRCT). PubMed: 15213209
  28. 厚生労働省「『オンライン診療の適切な実施に関する指針』に関するQ&A」(令和8年4月改訂)Q18. 厚生労働省のPDF(2026年10月3日確認)
  29. エスエス製薬「日本初のED用市販薬『シアリス』本日7月31日より一部店舗にて販売開始」2026年7月31日. エスエス製薬 ニュースルーム(2026年10月3日確認)
  30. Sanada T, Yoshida N, Matsushita R, Kimura K, Tsuboi H. Falsified tadalafil tablets distributed in Japan via the internet. Forensic Sci Int. 2020;307:110143(ネットで購入した45検体の分析). PubMed: 31931435
  31. 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」. 厚生労働省のページ(2026年10月3日確認)

免責事項:本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。ED治療薬を使うかどうか、どの薬をどの量で使うかは、医師の診察を受けて決めてください。試験の結果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるものではありません。

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